親子で使えて子どもがパソコンに慣れるためのマシンとしても最適
子どもの成長とともに長く愛用できる堅牢性&性能の2in1ノートPC、富士通「arrows Tab EH」をチェック
2020年11月06日 12時00分更新
「arrows Tab EH」は、富士通の直販サイト「富士通 WEB MART」で9月に販売された10.1型の2in1ノートパソコンだ。
全国約850の自治体で採用実績があるという富士通のスクールタブレット「ARROWS Tab Qシリーズ」をベースとしたモデル。GIGAスクール対応モデルと同等の機能を持ち、プログラミング教育やオンライン授業での使用を想定している。数日試用したので、その使用感をレポートする。
とにかく頑丈! 76cmからのドロップテストもクリア済み
前回でも触れたが、arrows Tab EHは堅牢タイプのノートパソコンやタブレットにも似た印象を持っている。
というよりも、ARROWS Tab Qシリーズが堅牢性を持ったシリーズなので、その特徴をそのまま受け継いでいると感じる。そのタフさは、約76cmからの落下試験、自転車移動を想定した振動試験、約200kgf全面加圧試験、約35.7kgf一点加圧試験などをクリアし、防滴(IPX4等級)、防塵(IP5X等級)の防滴防塵性能を備えているほど。
子どもが意図しない使い方をしても壊れないように、という意図があるそうだが、デザイン的にも、ARROWS Tab Qシリーズを踏襲しており、「子ども向け」ながらデザイン的にも機能的にも“渋さ”がある。
近年のノートパソコンのひとつのトレンドは薄型であり、それを実現するための削り出しのアルミ合金製筐体、マグネシウム合金製筐体、あるいはカーボンファイバーを練り込んだ樹脂なども、盛んに使われている。
本機の筐体はプラスチックでできているが、ある程度の厚みがあり、表面はざらっとしたパターンになっているため、いかにも頑丈だ。
四隅はゴム製のカバーで保護してあり、これは“角”を隠すとともに、落とした際のクッションにもなっている。さらにこのゴム製カバーは、本体をキーボードドックから取り外し、机の上に置いた際には滑り止めにもなる。
学校で使うとなると、狭い学習机の上に本機を置いたままにしており、教室の中を誰かが走り回っているということもあるかもしれない。
さらさらとした表面や、光沢感のある素材のマシンでは、滑りやすく、ふとした瞬間に落として壊してしまう心配がある。arrows Tab EHなら、机からもそもそも落ちにくく、落ちても、よほど強い衝撃が加わらなければ壊れることはない。自宅で使う際にも安心できる仕様だ。
ちなみに、arrows Tab EHがクリアしている耐落下テストの76cmというのは、およそ大人向けのデスクの高さであり、子ども用の学習机なら、高さは60~65cm付近。落下による故障は、まず心配しなくていいだろう。
arrows Tab EHのサイズはおよそ幅262.8×奥行き168.7×高さ12.2mm、キーボード装着時でおよそ幅264.0×奥行き214.9×高さ24.7mm、重量はタブレット単体時で約590g、キーボード装着時で約1230g。このサイズのマシンで考えるとやや重めではあるが、子どもが持ち運ぶのに苦労するほどではない。
大人が一緒に使ってもいいスペック
arrows Tab EHのディスプレー解像度は1920×1200ドットと、それなりに高精細だ。文字はくっきりと、写真は明瞭に表現できるレベルで、色の再現性なども、同社のほかのノートPCと遜色はない。
そのほかのスペックはCeleron N4000、4GBメモリー、128GB eMMCなどとなっており、ちょうど、ビジネス向けノートパソコンのエントリークラス程度のスペックをそなえている。
しばらくテキストを打ってみたり、ブラウザーメールからワードファイルをダウンロードして開いてみたりもしたが、特にマシンパワーに由来するストレスは感じなかった。
子どもの学習用PCとして使いつつ、その日の進捗を、保護者がメモファイルに記入していくとか、一緒に旅行へ出かけた写真をストックしておき、子どもと一緒に眺める用途にも使うなど、「親子で一緒に使う」スタイルにも対応しやすい製品だと思う。付属のスタイラスを用いて、写真への文字やイラストの書き込みもできるので、一台あると親子のコミュニケーションの幅も広がるかもしれない。
キーボードの打鍵感も良好、しっかり本格仕様
キーボードドックの打鍵感だが、こちらも非常に良好だ。キーピッチはおよそ17.5mm、キーストロークはおよそ1.7mmと、10.1型というサイズから考えると、キーが大きく、大人が使っても違和感はない。
手の置き方は、タブレットのカバー兼用キーボードなどに近い格好になるが、それらと比べて、打鍵感はしっかりとキーボード。レイアウトも標準的な108キーで、子どものうちからこれに慣れていれば、将来、ノートパソコンをあつかうのに苦労することはないはずだ。
キーボードドックとタブレット部は、ヒンジ部のレバーを押し上げることで、ジョイントを外せるようになっている。取り外し、装着に力は要らないが、しっかりとジョイントされ、ぐらつきはない。このあたりは、富士通の技術力が存分に楽しめるポイントだ。
子どものプログラミング教育やオンライン授業で使うために、一台ノートパソコンを買っておきたいという家庭にはおすすめできるし、「小さい内からパソコンに触れさせておきたい」という需要の、「まず子どもに使ってもらう一台」としてもおすすめの本製品。
頑丈で、フレキシブルな使い方ができて、大人でも使える本格的なパソコンなので、「ちょっと使って使いものにならなくなる」ということはなく、子どもの成長と共に、末長く愛用できる製品だと思う。
arrows Tab EHの主なスペック | |
---|---|
CPU | Celeron N4000 |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 600 |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 128GB eMMC |
ディスプレー | 10.1型ワイド LEDバックライト付きタッチパネル(1920×1200ドット |
内蔵ドライブ | - |
通信規格 | Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠 MU-MIMO対応、Bluetooth 5.0 |
内蔵カメラ | フロント:約200万画素、リア:約800万画素 |
インターフェース | USB 3.1(Type-C)、USB 3.1(Type-A)、ヘッドホン・ヘッドセット兼用端子、電源端子、microSDカードリーダー |
サイズ | およそ幅262.8×奥行き168.7×高さ12.2mm(本体のみ) およそ幅264×奥行214.9×高さ24.7mm(キーボード装着時) |
重量 | 約590g(本体のみ) 約1230g(キーボード装着時) |
OS | Windows 10 Pro(64bit) |