ポイントを速習!「Azureの基礎(AZ900)」をみんなで学ぶ 第8回
保存するデータの種類/用途に最適なストレージ/データベースサービスを選ぶ
Azureのストレージサービスを理解し「SQL Database」に触れてみる
2020年10月07日 08時00分更新
はじめに
連載「ポイントを速習!『Azureの基礎(AZ900)』をみんなで学ぶ」の第8回では、Azureの代表的なストレージサービスについて解説したうえで、「Azure SQL Database」を実際に使用してみたいと思います。
■今回の目次
●ストレージサービスで扱うデータの種類
-構造化データ
-半構造化データ
-非構造化データ
●さまざまなAzureストレージサービスの紹介
-Azure SQL Database
-Azure Cosmos DB
-Azure Blob Storage
-Azure Files
●ハンズオン:SQL Databaseのリソースを作成してクエリを実行する
-SQL Databaseのリソースを作成する
-クエリエディターでクエリを実行する
ストレージサービスで扱うデータの種類
どんなアプリケーションやサービスを作るのにも、それらで扱うデータやファイルを保存する場所が必要です。Azureにはそれらを保存しておくための場所=ストレージサービスがいくつも用意されていますが、どのような時にどのサービスを利用すればいいのかを考える際は、まず扱おうとしている「データの種類」から考えるのが効果的です。
Azureのストレージサービスで扱うデータの種類は、大きく「構造化データ」「半構造化データ」「非構造化データ」の3つに分けられます。それぞれどんなものかを見ていきましょう。
構造化データ
構造化データとは、最初にそのデータの構造(スキーマ)を定義し、その構造に従ってすべて同じ形式で記録していくタイプのデータを指します。たとえば、最初に「このテーブル(データを記録する表のようなもの)では『ユーザーID』『ユーザー名』『購入金額』のデータを記録していく」と構造を決めて(定義し)、以後は基本的にずっと「ユーザーID、ユーザー名、購入金額」をセットで記録していくのが構造化データです。
そして、こうした大量の構造化データを記録し、クエリを用いて容易にデータを読み書きしたり、検索したり、複数のテーブル間でリレーションを張ってデータの関係づけを行ったりできる仕組みを持つソフトウェアを「リレーショナルデータベース(RDB)」と呼びます。
一般に、多くのアプリケーションでは動作に必要なデータをRDBに保存します。Azureでは、主にAzure SQL DatabaseなどのRDBサービスが構造化データをサポートしています。
半構造化データ
半構造化データの例として挙げられるのは、ドキュメント形式やkey-value形式といった、いわゆる“NoSQLデータ”です。
たとえば、ドキュメント形式のデータとしては「JSONデータ」が挙げられます。コレクションと呼ばれる箱の中にJSON形式で記述されたデータを記録していくのですが、記録時にそのデータが特定の構造(スキーマ)に沿っているかどうかをチェックしません。
これにより、多種多様なデータを柔軟に保存でき、その一方で素早く読み書きもできる特徴を持つものとして近年注目されています。リレーションやスキーマが必要なく、素早いスループットが求められる場合に、このデータの種類が用いられます。Azureでは、主に「Azure Cosmos DB」が半構造化データをサポートしています。
非構造化データ
非構造化データは、データの構造が定義されていないデータの種類です。多様な例がありますが、わかりやすい例としては「ファイル」として扱われているもの、たとえば画像ファイルや音声ファイル、文書ファイル、Webコンテンツなどがこれにあたります。
非構造化データを保存する一般的なサービスとしては「ファイルストレージ(ファイルサーバー)」や「オブジェクトストレージ」があります。Azureでは主に「Azure Blob Storage」「Azure Files」といったサービスが、この非構造化データをサポートしています。
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