水をたくさん吸い込む高分子吸収体を使って、子どもと楽しくできる科学実験をご紹介します。“高分子吸収体”と聞くとなかなか手に入らなそうなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、実は冷えピタや消臭ビーズ、携帯用トイレなど身近なところでたくさん使われているのです。
そんな身近なところにある高分子吸収体を使ってできる3つの実験「冷えピタスライム作り」、「消臭ビーズで光の屈折実験」、「携帯用トイレの高分子吸収体を取り出す実験」の手順や原理をご紹介していきたいと思います。結果がどうなるか?ということに加え、なぜそうなるのか?ということを子どもたちと対話しながら一緒に考えるきっかけとなりましたら嬉しいです。
それでは今日も、レッツサイエンス!
■自己紹介
科学のお姉さんこと五十嵐美樹(twitter:@igamiki0319)です。全国各地で子どもたちにむけた科学実験教室やサイエンスショーなどを開催しています。
ワークショップやサイエンスショーが終わった後に実験材料などをお問い合わせいただくことが多いため、本連載では、これまでの科学実験教室で人気の高かった科学実験・科学工作を例に、お家で手軽に子どもと一緒に楽しめる科学に関する情報をお届けしていきたいと思います。
■実験①:熱さまシートでスライムを作ってみよう!
熱さまシートや冷えピタなど、冷却ジェルシートのプニュプニュした部分には、高分子吸収体が使われています。水分を吸収しためることができるため、その水分が蒸発するときにまわりの熱を奪うのです。市販のままでも水分が含まれていますが、さらに水を吸収させることでスライムのようにならないか実験してみたいと思います!
【用意するもの】
・熱さまシート
・桶(洗面器など)
・水
【実験手順】
水を入れた桶に熱さまシートをつけます。
数時間すると、熱さまシートのプニュプニュした部分が大きく膨らみました!
膨らんだ部分を剥がして取り出してみると、なんだかスライムのようになっています……!
水の中に熱さまシートを入れると膨らみました。冷却ジェルシートのプニョプニョしたところに使われている高分子吸収体は、とても細かい網目のような構造をしており、その中に水が取り込まれ写真のような状態まで膨らんだのです。
■さらにスライムに近づけてみる
この時点でもスライムみたいになりましたが、さらに普段スライムを作るときに使うホウ砂やPVA洗濯のりを混ぜて粘り気を出してみたいと思います。
【追加で用意するもの】
・PVA洗濯のり ※100円ショップや薬局などでお買い求めいただけます。
・ホウ砂 ※薬局などでお買い求めいただけます。
先ほど取り出した熱さまシートの中に、PVA洗濯のりを100ml入れて混ぜます。さらに、50gの水に溶かしたホウ砂4gを混ぜます。すると、さらに粘り気のあるスライムが完成しました!
食紅などで色をつけることなども可能ですが、冷却ジェル本来の色を活かすのも個人的には綺麗だなと思いました。
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