就寝準備は穏やかに寄り添うコーチ
「就寝準備」はwatchOS 7とiOS 14の睡眠機能の大事な柱となる機能であり、ベッドに入る前にリラックスする時間を取り、眠りに就きやすくすることと、質の高い眠りを得ることを実現するために設けられている。
iOS 14のヘルスケアアプリには、就寝準備の基本的な心構えがまとめられている。夜は「照明を暗くすること」「本を読んだり、音楽を聴いてリラックスすること」「ぬるめの風呂に入ること」「アルコールを控えること」がここで推奨されている。
ヘルスケアアプリから睡眠機能の初期設定をする時に、睡眠スケジュールと一緒に就寝準備を始めるタイミングと、良い眠りを得るために役立つアプリへのショートカットを決める。筆者は寝る前のリラックスを促す瞑想やミュージックアプリを並べてみた。「ホーム」アプリと連携して、スマート照明を暗くするためのショートカットを貼ることもできる。
就寝準備は繰り返し実践することを“義務化”してしまうと、反対にリラックスを得ることの妨げになってしまう。ゆえになのか、アップルは就寝準備を何度も促すリマインダーや、これを実践するとバッヂがもらえるような“ご褒美”も設けていない。筆者も毎度ショートカットにアクセスしてメニューを開いているわけではなく、そのリストに並ぶ項目を見て「ああ、読みかけの本を読もう」「ストレッチをしよう」と間接的に思い立つ習慣がなんとなく身に付いた。これだけでも睡眠機能を使い始めて良かったと思える。
Apple Watchが手首をたたく「目覚ましタイマー」の効果
最後に「目覚ましタイマー」の効果について触れておこう。起床時間になると、身に着けているApple Watchの触感フィードバックが手首を優しくたたいてくれる。iPhoneの側でもプリセットされている9種類のサウンドから選んで目覚ましアラームが鳴らせる。ボリュームやスヌーズの設定もある。
筆者は気が小さいので、いつも目覚まし時計は鳴った途端に止めてしまう。反対に、これしきの振動やサウンドで簡単に起きたりしないぜという人もいるだろう。睡眠アプリのアラームはジェントル過ぎることもないと思うが、不安であれば2重、3重のアラームをかけておくことは自由だ。ただ、睡眠アプリを使い続けて眠りの質が高まってくれば、Apple Watchの穏やかな目覚まし機能だけで毎日心地よく目覚められるようになるかもしれない。watchOS 7が正式にローンチされたら、とにかく睡眠機能を一定期間使い続けてみることをおすすめする。
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