秋に正式リリースを迎えるApple Watch向けの最新OS「watchOS 7」のパブリックベータ版が公開されている。今回は新機能の「睡眠」を深く掘り下げてみた。
watchOS 7パブリックベータ版の導入方法についてはファーストインプレッションの記事に詳細をまとめているので、併せて読んでもらいたい。なお、本記事では特別な許可を得たうえでwatchOS 7パブリックベータ版をレポートしている。
使うことを追い立てられない、やさしい「睡眠」アプリ
新しい睡眠機能はwatchOS 7にはアプリとして追加されている。文字盤にコンプリケーションを追加すると素速くアクセスできる。
iOS 14では「ヘルスケア」アプリの中に、睡眠機能が新設されている。iPhoneのワイドな画面を活かして、グラフ化された過去の睡眠記録が確認できる。目標として設定した「眠りたい時間」に対する、実際に「眠った時間」はグラフを見れば一目瞭然だ。睡眠スケジュールの初期設定や変更もヘルスケアアプリから行える。
新しい睡眠機能には大きく分けて「睡眠記録」と「目覚ましタイマー」、そして「就寝準備」という3本の柱がある。
ヘルスケアアプリから最初に目標とする睡眠時間を決めて、「就寝時刻」と「起床時刻」を設定する。睡眠記録は健康管理のために重要とは言え、毎日記録に追われる必要はない。1週間の中で記録を“お休み”したい曜日は除外もできる。はずした曜日にはApple WatchとiPhoneによる睡眠記録はされず、目覚ましアラームも鳴らない。
そもそもwatchOS 7の睡眠機能はユーザーが記録をサボったり、忘れてしまうことに対して寛容だ。あくまでユーザーが意思を持って機能を活用しながら、まめに貯めたデータで自分の眠りの質を可視化できるというものだ。「データをこのように見て、こう活かせ」といったコーチングを押しつけてくることもない。睡眠記録にスコアを付けるような機能も設けていない。
筆者もwatchOS 7のパブリックベータ版が公開されてから、2週間ほどApple Watchを身に着けながら睡眠アプリを続けて使っている。ある日、うっかりApple Watchを装着しないで寝てしまったこともあったが、それによって睡眠記録のデータが意味のないものに成り下がることもない。使用感が少し似ているとすれば、同じヘルスケアアプリに搭載されている「心拍数」の記録機能だろうか。使う目的は自分の健康チェックのため。気張らずに役立てられるところが睡眠アプリの魅力だと思う。
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