12mm口径の大型ダイナミック型ドライバーユニットの実力は?
グーグル「Pixel Buds」音質から翻訳機能まで即戦力度を全方位チェック
2020年08月19日 09時00分更新
感度の良いリモコン
骨伝導センサーを加えた通話用マイクも高性能
最近はワイヤレスイヤホンが音楽を聴くためのオーディオ機器としてだけでなく、ボイスコミュニケーションに欠かせないツールとして注目されている。Pixel BudsがグーグルのAndroidスマホとどれぐらい相性が良いのか、評価のポイントになるコミュニケーション機能を確認した。
Pixel Budsの本体左右側面には、タッチセンサーリモコンが内蔵されている。音楽再生の一時停止や曲送りのほか、「音量のアップダウン」もイヤホン単体でできる。AirPodsシリーズにはない魅力だ。左右のイヤホンに同じジェスチャー操作が割り当てられているので、覚える操作も最小限ですむ。
タッチセンサーリモコンを1〜2秒ほど長押しすると、スマホに届いている通知を音声で読み上げる。ボタンの長押しをキープするとチャイムが鳴り、Googleアシスタントが起動する。Googleアシスタントを起動して音声操作でナビゲーションをスタートしたり、リマインダの入力やニュースの読み上げ、YouTube Music/Spotifyによる音楽再生などもPixel Budsによる音声操作がお手の物だ。
Androidスマホの場合は、リモコン操作のフル機能が使える。ところがiPhoneとペアリングした場合、音楽の再生、曲送りと音量のアップダウン以外の操作ができなくなるので気をつけたい。Bluetooth接続後のイヤホン設定もAndroidの場合は可能だが、iPhoneは相当するメニューがない。専用アプリも本稿執筆時点では用意されていないため、「アダプティブ サウンド」のような特殊機能が使えない。従って本稿執筆の時点ではPixel Budsは「Androidスマホの方がより相性が良く使いやすいワイヤレスイヤホン」だということになる。
話題をボイスコミュニケーションに戻そう。Pixel Budsは片側イヤホンのハウジング上下に、1基ずつマイクを載せた。周囲の騒音を最小限に抑えながら、クリアにユーザーの声だけが拾えるデュアルマイクシステムだ。左右の口元方向にビームフォーミングにより指向性を持たせたマイクが、話者の口元に狙いを定めて通話音声を正確にピックアップする。
イヤホンには内蔵するマイクをサポートする骨伝導センサーも載っている。“あごの骨”の振動を検知して音声に変換するセンサーは、賑やかな場所でも話者の声に狙いを定めて捉えたり、小声による会話も精細感たっぷりに集音する。Androidデバイスによるリモートワークを力強くサポートしてくれるだろう。