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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第254回

ファーウェイ包囲網がさらに強まる イギリスによる排除に仏独も続くか

2020年07月29日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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英・仏と続くと、注目されるドイツの動き
EU諸国からの排除が進むか?

 英、仏と来れば、お次はドイツ。ドイツ政府がどう動くかが気になるところだが、最大手のドイツテレコム(DT)は先に、5G RANでエリクソンを採用する方針を発表している。DTはファーウェイとは密な関係を構築しており、クラウドでも提携していた。これまで5Gではファーウェイとエリクソンを採用してきたが、同社は政府が株式の3割を所有していることもあり、政治的なプレッシャーは強まっているようだ。

 7月始めにDTはプレスリリースを発表。モバイル通信のコアネットワークにおける中国企業の技術を削減する方針であること、ファーウェイとのビジネスはこの3年、減少傾向にあることなどを明らかにしていた。同社はマルチベンダー戦略を強調しており、内訳として30%が米国企業、25%が欧州と中国、残りが他のアジアおよび地元の小規模ベンダーとしている。

 なお、ドイツ政府はITセキュリティー法を進めているところだが、予定よりも遅れている。

 ファーウェイが7月13日に発表した2020年上半期の業績によると、売上高は前年同期比13.1%増の4540億人民元(約6兆8000億円)、純利益率は同9.2%増と増収増益。内訳は開示していないが、中国国内が好調であることが同社の業績を支えていると予想できる。

 ファーウェイのGuo Ping氏は5月のイベント時、穴だらけの戦闘機(旧ソ連のIl-2型)を画面に表示しながら、目標は「生き残ること」と語っていた。あれから2ヵ月、状況は改善どころか悪化している。そして、EU諸国がファーウェイを締め出すのであれば、中国政府はエリクソン、Nokiaに対して何らかの措置を加えることを考えているという報道も出ている。

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