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ポイントを速習!「Azureの基礎(AZ900)」をみんなで学ぶ 第5回

ブラウザやコマンドラインで操作できるツール、それぞれの違いとメリット

Azureの主な管理ツールを知り、リソースを管理する【前編】

2020年07月15日 08時00分更新

文● 荒井隆徳/FIXER 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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CLIツール:Azure PowerShell/Azure CLI/Azure Cloud Shell

 初心者ユーザーならば、Azureが提供するサービスや技術を理解する手がかりとして、まずはGUIのAzureポータルを利用するのが有用です。GUIツールには、視覚的に状況が把握でき、直感的な操作ができるというメリットがあります。

 ですが1回限りの管理操作ではなく、複数のAzureサービスに対して10回、100回、1000回と同じ操作を繰り返し実行する場合は、GUIツールではやや面倒です。こうした場合は、CLIツールが役に立ちます。

 CLIツールにはもうひとつ、「スキルや知識に依存せず、誰が実行しても同じ結果が得られる」というメリットもあります。実行したコマンドを再利用して作業をチーム内で横展開したり、スクリプトにコマンドを組み込んで作業を自動化したりすることが容易にできます。

3つのCLIツールそれぞれの特徴

 Azureの代表的なCLIツールとしては、「Azure PowerShell」「Azure CLI」「Azure Cloud Shell」の3つがあります。それぞれの特徴をまとめましょう。

●Azure PowerShell:PowerSehllをベースに開発されたWindowsユーザー向けのCLIツールです。Windows PowerShellまたはPowerShell Coreに追加(ローカルインストール)して利用します。

●Azure CLI:Pythonベースで開発された、macOSおよびLinuxユーザー向けのCLIツールです。こちらもローカルのPython環境にAzure CLIを追加して利用します。

●Azure Cloud Shell:Webブラウザベースで開発された、どんなOSでも利用できるCLIツールです。ブラウザ上で切り替えることにより、Azure PowerShell、Azure CLIのいずれも利用可能です。また、さまざまな便利ツール(テキストエディタ、ソース管理、ビルドツール、データベース接続ツールなど)も組み込まれています。

Cloud ShellはAzureポータルから使えるCLIツール

Azureの管理ツールごとの違いをまとめてみる

 前述したとおり、GUIとCLIのいずれの管理ツールでも、使える管理機能はほぼ同じです。したがって、ツールを選定する際は「ユーザーの習熟度」「作業環境」「新機能への対応ペース」の順で評価し、ツールを選択するのがよいと思います。もちろん管理タスクの内容に応じて、複数の管理ツールを切り替えて使うのもよいでしょう。

 筆者の個人的な意見ですが、まずはAzureポータルを通じてAzureに慣れ親しみ、その後にAzureポータルで構築したリソースや管理操作の結果からコマンドを抽出し、Azure Cloud ShellをはじめとするCLIで管理作業の省力化、効率化を図るというのがお勧めです。

Azureの管理ツールごとの違い、まとめ

 以上、今回の前編記事では、代表的な管理ツールの概要や違いを紹介しました。次回の後編記事では、実際に手を動かしてAzureポータルを操作することで、基本的な操作やダッシュボードの構成方法などを紹介したいと思います。

■今回のポイントまとめ!

  • Azureの管理ツールはすべてクロスプラットフォームで提供され、GUIとCLIの管理ツールが複数用意されている。
  • どの管理ツールを使っても、管理できる機能(Azure環境の構築、管理、監視)はほぼ同じ。
  • 管理ツールの選定基準は、「ユーザーの習熟度」「作業環境」「新機能への対応ペース」の順で評価するのがお勧め。
  • ビギナーは、まずAzureポータルを通じてAzureに慣れ親しみ、その後、Azure Cloud ShellをはじめとするCLIで管理作業の省力化、効率化を目指しましょう。

FIXER Inc. 荒井隆徳

 Azure Training instructor
 FIXERの優秀なエンジニア達から知識、技術を叩きこんでもらい、クラウド未経験の状態から6カ月でAzure認定資格をコンプリートするまで育ったFIXER歴2年目のラッキーボーイです。教わったクラウドに関する知識、技術を汎化し、オンプレミスエンジニアの方やクラウド未経験者の人材育成に日夜奮闘してます!!

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