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AirPods Proがサラウンド再生にも対応!アップル発表オーディオ関連新機能まとめ

2020年06月25日 18時10分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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AirPods Proを装着するユーザーが頭や身体を動かしても、iPhone/iPadで再生中のコンテンツの音像が正しく定位する

映画やゲームに高い効果が期待できる「ダイナミック・ヘッドトラッキング」

 AirPods Proのみがソフトウェアアップデートにより使えるようになる機能にはもうひとつ、「ダイナミック・ヘッドトラッキング」がある。AirPods Proが内蔵する加速度センサーとジャイロスコープのデータを元に、ユーザーの頭の向きや位置をリアルタイムに検知するというものだ。

 これを活用しながら空間オーディオに対応するコンテンツを再生すると、コンテンツの中で再生される人の声、サラウンド効果など音像の定位が正確に再現される。

 ダイナミック・ヘッドトラッキングを利用するためには、AirPods ProをiOS 14/iPadOS 14をインストールしたデバイスをペアリングする必要がある。互いの機器が取得した加速度センサーとジャイロスコープのデータをリアルタイムに解析して、ユーザーの頭と身体の向きを正確に判定しながら、音像をあるべき方向に定位させる。例えばiPadで映画を見ながら、顔の向きを変えると役者の声がiPadの方から正しく聞こえてくる。

AirPodsに関連するソフトウェアの技術を外部デベロッパが利用できる機会が広がると、新たなサービスやアプリが生まれる期待が広がる

 今回の機能アップデートに伴って、AirPods Proのセンサーが取得したデータもアップルのCore MotionフレームワークのAPIから利用できるようになり、ユーザーの頭や身体の向き、動作を正確に把握することが可能になる。デベロッパは精度の高いユーザーの動き情報を元に、フィットネスアプリやゲームアプリを開発できる。

 Android OSを搭載するスマホやタブレットの中には、ドルビーアトモス対応によって内蔵スピーカーやイヤホン、ヘッドフォンを組み合わせたリアルなサラウンド体験を楽しめる製品も複数ある。ただ、ワイヤレスイヤホン、ヘッドフォンとの組み合わせにより正確なヘッドトラッキング機能を実現した製品はあまり前例がないはずだ。イヤホンと送り出し側のプレーヤー機器、それぞれを動かすソフトウェアを一体のものとして開発できるアップルの強みが新機能にも存分に活かされるだろう。デベロッパのアプリ開発にも勢いを付けるはずだ。

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