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アップル DAWアプリ「Logic Pro X 10.5」新機能を解説

2020年05月20日 12時00分更新

文● 田口和裕 編集●飯島恵里子/ASCII

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複数のエフェクトを同時に演奏・記録できる「Remix FX」

 Live Loops同様、iOS版Garage Bandに先行して実装されていた機能。ディレイ、リバーブ、フィルタ、ゲート、リピーターなど複数のエフェクトをボタン、スライダー、XYパッドなどに割り当てることで、トラックや楽曲全体にリアルタイムにエフェクトをかけることができる。もちろんあらゆるパラメーターの動きは、オートメーションとして記録、編集可能だ。

iPhoneやiPadでリモートコントロール「Logic Remote」

 iPhoneやiPadにインストールしMacとペアリングすることで、Logicの各機能をマルチタッチで操作できるようになる。iOS専用アプリも本体にあわせてLogic Remote 1.4にアップデート。特に新機能のLive LoopsやRemix FXとの相性はバッチリだ。

ビリー・アイリッシュのプロジェクトがそのまま入った「チュートリアルプロジェクト」

 チュートリアル用のプロジェクトも充実、はじめてDAWを触る人やGarage BandからLogic X Proにステップアップしたユーザーはもちろん、中・上級者がLogic X Proの機能を再確認するのにも有用だ。

 特にビリー・アイリッシュの「Ocean Eyes」が、ES1、Alchemyなどの内蔵音源を使ったバックトラックからボーカルのマルチテイクトラックまで、そのまま収録されたデモプロジェクトは、おそらくフィネアス·オコネル(グラミー受賞作プロデューサー。ビリー・アイリッシュのほとんどの曲をてがける実兄)が作成したリアルなデータに近い貴重な資料だ。

 もちろんMacOSおよびハードウェアとの最適化も進化しており、動作はきわめて軽快、映画のサウンドトラックなど数千のトラックや数百のリアルタイムプラグインを使った高い処理能力を要求するプロジェクトでも問題なく動作するとのことだ。

 最後に、JUJU with JAY’ED「明日がくるなら」で2009年の日本レコード大賞・作曲賞を受賞し、少女時代、EXO、安室奈美恵、西野カナなど錚々たるアーティストに楽曲を提供するプロデューサー、Jeff Miyahara氏のコメントを紹介する。

 「LOGICを使って20年たちますが、これだけ音楽のトレンドを取り入れ、現代のクリエイターがもっとも必要としている環境を作っていくアップルのイノベーティブな姿勢はほんとうにすばらしいと思っています。

Jeff Miyahara氏

 特にRemixFXなどに顕著ですが、これまでのやり方では最低でも30分はかかってしまうような、ものすごく複雑でクリエイティブな操作を誰もが数秒で簡単に使えるようになる、これがこの先、音楽シーンにどんな影響を与えていくのか非常に楽しみです」

 

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