ヤフーは4月27日、事業者向けデータソリューションサービス「ヤフー・データソリューション」において、「Yahoo!検索」での検索動向を分析したレポートを公開した。
新型コロナウイルス感染症対策としての幼稚園・保育園や学校の休園・休校、また外出自粛が要請される中での子供への影響などについて、検索動向を分析したもの。
最初に、直近1ヵ月の検索数が上昇傾向にある子供に関連するワードをランキング形式で発表。緊急事態宣言から2週間が経った4月20日時点の上昇率スコアランキングで、「子供との過ごし方」を赤色に、「子供のストレス」を青色に、「親が新型コロナウイルスにかかった場合子供をどうすればいいのか」を緑色に色分けしている。
上位20件のほとんどがこの3色で占められており、特に長期化する休みを子供とどう過ごすのか、家で何をして遊ぶのかについて、方法や情報を求めている親が多いことが判明した。
また、緊急事態宣言が発出される直前の4月6日時点での上昇率ランキングでは、学童や保育園は開園していたところも多かったことや、外出自粛を現状ほど厳しくは要請されていなかったこともあってか、「子供用のマスクを入手したい」というものが上位のほとんどを占める結果となっている。
直近の上昇率ランキングと対比すると、長期化する休校・休園措置により「子供とどう過ごすのか」という悩みが大きくなっている様子が分かる。
続いて、直近1ヵ月の検索数上昇率が高いもののうち、「子供」を含むキーワードを抜き出したものを対象のキーワードとし、共起ネットワークで可視化した図を公開。円の大きさは検索キーワードを単語に分解した際の、単語の出現頻度で、円が大きいほど関心が高いといえるとのこと。
大きな円に着目すると、マスクを手作りしている様子や、咳や熱などの風邪が新型コロナウイルスなのかといった症状を心配している様子など、大人同様に新型コロナウイルスに直結した課題として挙がっていることがわかる。
それ以外では、「子供と一緒にお菓子や料理作り」「簡単な工作・手芸キット」「無料塗り絵や折り紙」「ゲーム、YouTube、映画」「室内でテント遊び」など、子供と一緒に楽しく過ごす方法について色々と調べている様子がわかる。くわえて、「キックボード」「バランスボール」「ダンス動画」など、子供の運動不足を解消する方法も多く検索されていた。
最後に、ストレスに関連するワードの検索推移をグラフ化。「子供 ストレス」「コロナ 子供 ストレス」といったキーワードの上昇率が目立ち、これは当初「子供と常に一緒に過ごすことによる親のストレス」の意味合いでとられることが多かったように思われるが、実際は「新型コロナウイルスによる(休校要請や外出自粛などによる)子供のストレス」を心配している親が増えてきているとと思われるとのこと。
また、2月末に休校措置がとられた直後には「休校 子供 ストレス」の検索率が急上昇しており、これは急な休校措置による学年・学校の終了といった意味合いのものも含まれていたと思われるとのこと。4月にはいってからは「自粛 子供 ストレス」などの上昇率が目立ち、あわせて子供自体のストレスのサイン(蕁麻疹、嘔吐、腹痛)を調べている人も多かったとのこと。
ストレスの心配の増加と共に、ストレスの発散方法も調べられており、病院や幼児教育業界などが発信する対策情報や、関連ニュース記事、Yahoo!知恵袋などで解決策の共有など、ストレス対処方法への工夫が感じられたという。
ヤフー・データソリューションは、引き続きさまざまな側面への影響をデータによって分析し、新型コロナウイルス感染症対策やその影響の分析に役立てられる調査レポートを発信していくとのこと。
なお、今回公開したデータを含め、ヤフー・データソリューションは、個人を識別できるデータ (パーソナルデータ) について、ユーザーから同意を得ない限り外部に提供することはないとしている。