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ASCII 春のベストセレクション 2020 第5回

S'NEXTの新ブランド「ag」の「TWS02R」を試聴

8000円台で高級機ゆずりの音質、ガチで使えるワイヤレスイヤフォン

2020年03月26日 12時00分更新

文● 貝塚 編集 ●ASCII

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イヤフォン本体もケースと同じ、ざらっとした質感

final譲りの素直でフラットなサウンド

 音質にも触れたい。パッケージには「final オーディオブランド監修 高音質仕様」と記載されている。finalというブランドは、色付けの少ない素直でクリアな音や、細かな解像感で評価されているブランドだが、本機も系統としては似ている。

 イヤフォンの音質は、大まかに分けると、音を鳴らす振動板(ドライバー)の大きさや設計、ハウジング(イヤフォン外殻)の空間の設計、そしてそれぞれの品質の高さで決まる。

 したがって、「色付けの少ない音質で綺麗に鳴らす」ためには、一定以上の品質の高さと、優れた設計が必要になる。

イヤーピースはタイプの異なるものを各3サイズ同梱する。耳の穴との密着度によっても、音質が変化するので、最もぴったり合うものを探そう

 人の耳は、中低域にボリュームがあると迫力があると感じ、中高域以上が付加されていると、クリアだと感じる。音の感じ方を決める要素はさらに複数あるが、ここでは説明しない。重要なのは、帯域をうまく調整して「いい感じの音」にすることは、意外にできてしまうという点だ。

 TWS02Rの場合、こうした味付けは最低限。ナチュラルなサウンドで、ソース(音源)に中低域成分が多ければ迫力を感じるし、中高域を持ち上げた抜けのいいボーカルは、透き通って聞こえる。1万円を切る価格ながら、原音を素直に再現できるのは、finalブランドを展開しつつ、他メーカーの設計や製造も手掛けてきたS'NEXTだから実現できることだろう。

 スペック的には、再生可能周波数帯域が20〜20kHz、対応コーデックがSBCとAAC、プロファイルがA2DP、AVRCP、HSP、HFPとなっている。連続再生可能時間は本体のみで3時間、バッテリー込みで19時間、連続待受時間が60時間、充電時間は2時間と、バッテリー関係も良好なスペックだ。

モバイルバッテリーとしても使える

USB Type-A端子を備え、ケーブルを接続すれば、スマートフォンの充電などに使えるモバイルバッテリーになる

 さらに充電用のケースがモバイルバッテリーになるという嬉しいギミックも備えている。ちなみに容量は2000mAh。iPhone 11のバッテリー容量は3110mAhなので、iPhone 11ならバッテリーが空の状態から64%ほど充電できることになる。スマートフォン、ワイヤレスイヤフォン、モバイルバッテリーを持ち歩き、それぞれの電源管理をするとなると、けっこう手間だから、それほど大容量のバッテリーが必要なければ、この製品とスマートフォンだけ持ち歩けば十分ではないだろうか。

はじめてのトゥルーワイヤレスとしても
2台目としてもオススメ

 まとめると、ファッションになじむデザインのよさ、素直で真面目な音作り、モバイルバッテリーになる機能性、そしてリーズナブルな価格が本機の魅力だ。

 原音重視の素直な音作りで、買いやすい価格の製品はそれほど多くない。ブランド名は避けるが、他社で同じような傾向の製品を探すと、2万円台から3万円台ほどの予算が必要になってくるから、はじめてのトゥルーワイヤレスイヤフォンとしてはオススメだし、すでに気に入ったものを持っている人が、傾向の違う2台目として購入してもよさそうだ。

 とりあえずの安価な選択肢ということでなく、この価格帯でも音質に優れ、長く愛用できるイヤフォンとして提案したい。しばらく使ってから、他社のもうすこし高価な製品を試聴すると、「俺のTWS02Rも負けてないぞ」と気付くはずだ。

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