CES 2020レポート 第48回
全長197mmでデュアルファンの2スロットデザイン
ASUSがNUC 9向けに開発したRTX 2070 MINIとは?:CES 2020
2020年01月16日 17時30分更新
米ラスベガスで現地時間の1月10日まで開催された世界最大のエレクトロニクスショー「CES 2020」。ASUSは「Planet Hollywood Resort and Casino」にてプライベート会場を設置し、招待者のみが入場できるエリアで自社製品を展示した。
会期直前に発表された360Hz駆動のディスプレー「ASUS ROG Swift 360」に注目が集まっていたが、興味深い展示はそれだけではない。その代表格は、Intelが発表したビデオカードが入る小型ベアボーンキットである「NUC 9 Pro」と「NUC 9 Extreme」に搭載するために開発されたというビデオカード「DUAL-RTX2070-O8G-MINI」だ。
GeForce RTX 2070自体は、2018年から販売されているパワフルな上位クラスのGPUだ。DUAL-RTX2070-O8G-MINIの特徴は、そんなパワフルなRTX 2070をコンパクト設計に調整して、NUC 9 ProやNUC 9 Extremeに最適化している点となる。
製品化にあたってのポイントも、「デュアルファンを搭載しつつサイズをコンパクト化していること」にあるという。シングルファンのコンパクトなRTX 2070搭載製品はすでに市場にあるものの、今回のようなNUCに搭載した場合には、そもそもの冷却力やエアフローの不足もあり、グラボやシャーシ内部の温度はかなり高まってしまう。
しかし、従来のデュアルファン搭載グラボの多くは、サイズ的にNUC 9 ProやNUC 9 Extremeには搭載できない。そんなギャップを埋めるために、Intelとの協力のもと誕生したのが、DUAL-RTX2070-O8G-MINIというわけだ。
サイズは約幅197×奥行121×高さ39mm。奥行や高さは一般的なRTX 2070搭載グラボと大きく変わらず、幅が200mm以下になっているのが興味深い。ブースではNUCの内部を見られなかったが、これだけコンパクトでも幅的にはかなりギリギリのようだ。
GPUはRTX 2070そのもので、動作クロックはベースクロックが1410MHz、ブーストクロックは1650MHzでOC Mode時は最大1680MHzとなる。一般的なRTX 2070搭載グラボと変わらない性能を備えている。Axial-tech仕様のデュアルファンを搭載していることから、冷却にも大きな不安はないと言えよう。
映像出力端子はDVI-D×1、HDMI 2.0b×1、DisplayPort 1.4×1。HDCPもサポートしており、この点でも一般的なグラボとは大きく変わらない。NUC 9 ProやNUC 9 Extremeに最適化されているが、その他の小型PCでも運用が想定されている。
日本では1月17日から販売スタートと発表されており、予想実売価格は5万6650円前後。一方で、組み合わせて使いたい肝心のNUC 9 ProやNUC 9 Extremeの発売時期は明らかになっていない。小型自作PCの新潮流となれるのか。販売が待たれる。
この連載の記事
-
第47回
デジタル
CES 2020でMSIが公開した300Hz対応ノートPCやサブ液晶つき湾曲ディスプレー -
第46回
PC
CORSAIR、同社初となる空冷クーラーや複数ブランドの新製品をCESにて発表 -
第45回
グルメ
アメリカのマクドナルド、日本とどう違う -
第44回
グルメ
米ケンタッキーで、超アメリカンなチキンサンドを食べた -
第43回
AV
CES 2020でSHURE初トゥルーワイヤレス「AONIC 215」を試した -
第42回
TECH
CES 2020 ネットギアがWi-Fi 6対応製品を展示 -
第41回
デジタル
Razerが新NUC採用ゲームPC「Razer Tomahawk」CES 2020で展示 -
第40回
PC
Kingstonは、CESにてGen4対応のSSDやQi対応ゲーミングヘッドセットなどを公開 -
第39回
Audio & Visual
クリエイティブ、「Super X-Fi Gen2」を発表、未発表のイヤホン・ヘッドホンも多数展示 -
第38回
Audio & Visual
JBL初のゲーミングヘッドホンがかっこいい! Harman/KardonやAKG新製品もズラリのCES ハーマン - この連載の一覧へ