12月3~5日(現地時間)の3日間に渡って開催されている、クアルコム主催の「Snapdragon Tech Summit」。2日目にあたる4日には、Snapdragon 865の詳細なスペックやそれによって実現する機能がお披露目された。
高性能コア×4+省電力4コア×4の構成で、
高性能コアの1つだけ、動作クロックがさらに高い
Snapdragon 865は、AIの処理能力を大幅に高めているのが特徴。5Gモデムは「Snapdragon X55 5G modem」をサポートし、4Gと5Gで周波数を共用するDSS(ダイナミック・スペクトラム・シェアリング)などに対応する。
SoCのコアとなるCPUには、「Kryo 585」を採用する。Cortex-A77とCortex-A55を組み合わせたオクタコアの構成で、Cortex-A77のうちの1つだけ、2.84GHzとクロック周波数が高いプライムコアとなる。そのほか3つのCortex-A77は2.4GHz。パフォーマンスをあまり必要としない処理を担うCortex-A55のクロック周波数は1.8GHzで、合計8つのコアを内蔵する。
8つのコアが共通で利用するL3キャッシュは、Snapdragon 855の2倍となる4MBに増やされた。クロック周波数はSnapdragon 855に搭載されていた「Kryo 485」と同じだが、アーキテクチャの改善で、処理能力と省電力性能がともに25%向上しているという。
ゲーミングスマホ用に144Hzのリフレッシュレートに対応
さらなる高速連写や8K動画撮影に対応したISPも
GPUには「Adreno 650」を採用する。こちらは、グラフィックスのレンダリングが25%高速化しつつ、電力効率も35%改善しているという。ディスプレー処理も強化されており、ゲームではローカルトーンマッピングの利用が可能になる。また、GPUのドライバーは、グーグルとの協業により、Playストアからのアップデートが可能になったという。ゲーミングスマートフォンへの採用も想定しており、144Hzのディスプレーもサポートする。
ISPは「Spectra 480」を搭載。5Gに対応し、より高解像度の写真、動画が撮影されることを意識した設計になっており、秒間2ギガピクセルを処理できる。クアルコムのシニアバイスプレジデント、キース・クレッシン氏によると、64メガピクセルの写真を1秒あたり30回撮影できるという。
クレッシン氏が「クロックを上げただけでなく、パイプラインを再設計した」と語っていたように、クロックあたりのピクセル数は、Snapdragon 855比で4倍に向上した。8Kでのビデオ撮影や、DOLBY VISIONでの撮影に対応しているのも、Spectra 480の特徴だ。