AMDはデスクトップPC向け第3世代Ryzenで発売を延期していた「Ryzen 9 3950X」を、米国時間11月25日に全世界で発売すると発表した。価格は749ドル(約8万1800円前後)。
第3世代Ryzen(Ryzen 3000シリーズ)は、CPUパッケージに複数のシリコンダイ(チップレット)を実装。4つのCPUコアをまとめたCCX(CPU Complex)を2基、計8基のCPUコアが組み込まれたCPUチップレットと、I/Oチップレットで構成されている。
既に発売されているRyzen 9 3900Xは、CPUチップレットあたりの2基分のCPUコアを無効にし、12コア/24スレッドという構成だったが、今回発売されるRyzen 9 3950Xは、8基のCPUコアをフルに使い16コア/32スレッドを実現している。
どのビデオカードを使用したかは明記されていないので、使用するビデオカードやメモリーによっても性能差は変わるだろうが、AMDが公開した競合のCPUとの性能比較図(上図)をみると、12コア/24スレッドのCore i9-9920X、8コア/16スレッドながら高いゲーム性能を誇るCore i9-9900Kとも肩を並べるゲーム性能を有していることがわかる。
また、ビデオ編集ソフトの「DaVinci Resolve」や「Adobe Premiere」、定番のCPUベンチマークソフト「CINEBENCH R20」など、マルチコア性能が高いと有利なクリエイティブ向けのアプリ性能差は競合のCPUに圧倒的な差を付けている。
新たに「Eco-Mode」を実装
AMDによるとRyzen 9 3950Xは、上述のような性能を発揮させるにはラジエーターが280mm以上の一体型簡易水冷クーラーが必要だという。そのため、既に発売されている第3世代Ryzenシリーズと異なり、Ryzen 9 3950Xにはクーラーが付属されていない。
そのためか、AMDは同社のオーバークロックツール「Ryzen Master」に新たに「Eco-Mode」を実装するという。Eco-Modeを使用すると性能が77%まで落ちるが、消費電力を約44%減らした65Wになる。