さとうなおきの「週刊アジュール」 第122回
「Azure Blob Storage」のBatch APIがプレビューに
「Azure Blockchain Service」が「Corda Enterprise」をサポート
2019年11月05日 08時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。今回の「週刊アジュール」では、2019年10月20日~2019年10月26日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure Storage:BlobのBatch API
ストレージサービス「Azure Storage」の一機能「Azure Blob Storage」は、オブジェクトストレージサービスを提供します。
Azure Blob Storage向けのBatch APIが、パブリックプレビューになりました。これによって、Azure Blob Storageに対して、複数のAPIリクエストをまとめて行うことができます。
Azure Resource Manager:Azure Resource Graphの結合機能
Azure Resource Manager(ARM)は、Azure上のリソースのデプロイや管理のためのレイヤーです。
Azure Resource Graphは、Azure Portal、Azure CLI、Azure PowerShellで、Azureリソースをクエリする機能です。
Azure Resource Graphで、結合(join)機能がサポートされました。これによって、リソースどうしの関連プロパティに基づいて、異なるリソースの種類とそのプロパティを結び付けることができるようになります。
Azure Cost Management:10月のステータス
Azure Cost Managementは、マルチクラウド環境での使用料金の管理、監視、最適化のためのサービスです。
9月のアップデートに続いて、Azure Cost Managementの10月の一般提供(GA)済み、プレビュー中、開発中の機能がまとめられています。
- 更新情報「2019 年 10 月時点で利用できる Cost Management 機能」
- 更新情報「Cost Management プレビュー機能 2019 年 10 月」
- 更新情報「開発中の Azure Cost Management 機能 - 2019 年 10 月」)
Azure SDK:10月のプレビュー
Azure SDKは、.NET、Java、Node.js、Python、Goといったさまざまな言語向けのSDKです。
8月のプレビューに続いて、Azure SDKの10月のプレビューがリリースされました。このリリースでは、前述のAzure Blob Storage向けBatch APIのサポートなどの新機能があります。
Azure Blockchain Service:Corda Enterprise
Azure Blockchain Serviceは、コンソーシアムブロックチェーンの作成、管理、ガバナンスを簡素化する、フルマネージドのブロックチェーンサービスです。Azure Blockchain Serviceは、現在プレビュー中です。
R3のCordaConカンファレンスで、プレビュー中のAzure Blockchain Serviceが、これまでサポートされていたEthereumベースのQuorumに加えて、新たにCorda Enterpriseをサポートすることが発表されました。
Visual Studio App Center:App Center Dataのメトリックビュー/データエクスプローラー
Visual Studio App Centerは、iOS、Android、Windows、macOSアプリケーションのビルド、テスト、配布、監視のためのサービスです。
5月のBuildカンファレンスでプレビューになっていた「App Center Data」は、Azure Comsos DBを利用したオフライン同期サービスです。
今回、App Center Dataで、App Centerポータル内の「メトリックビュー」、「データエクスプローラー」がリリースされました。メトリックビューは、バックエンドのAzure Cosmos DBの各種メトリックを表示します。データエクスプローラーは、バックエンドのAzure Cosmos DB内のデータのCRUD(作成、読み取り、更新、削除)を可能にします。
Azure Virtual Machines:Premium Filesを使ったSQL Serverフェールオーバークラスターインスタンス
IaaSの仮想マシン(VM)機能を提供するAzure Virtual Machines上のSQL Serverで、
ストレージサービス「Azure Storage」の一機能「Azure Files」は、SMBプロトコルベースのファイル共有サービスを提供します。
Azure Virtual Machines上のSQL Serverで、6月にGAになっていたAzure FilesのPremiumレベル(Premium Files)を使ったSQL Serverフェールオーバークラスターインスタンス(FCI)が、サポートされました。
Azure Sphere:19.10
Azure Sphereは、インターネット接続デバイス向けの組み込みの通信、セキュリティ機能を備えた、セキュアなアプリケーションプラットフォームです。Azure Sphereの認定を受けたパートナー企業のMCU(マイクロコントローラー)、LinuxベースのIoT専用セキュアOS「Azure Sphere OS」、Azureのセキュリティサービス「Azure Sphere Security Service」の3つで構成されています。Azure Sphereは、現在プレビュー中です。
9月にリリースされていた19.09に続いて、Azure Sphere 19.10のパブリックプレビューがリリースされました。
Azure API for FHIR:GA
Azure API for FHIRは、ヘルスケアデータ向けの標準であるFHIR APIを介したデータ交換を可能にする、マネージドサービスです。
2月に発表されていたAzure API for FHIRが、GAになりました。
- 更新情報「Azure API for FHIR と増加を続けるエコシステム パートナー」
- ブログポスト「Azure API for FHIR moves to general availability」
それでは、また来週。
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