さとうなおきの「週刊アジュール」 第115回
Azure DB for PostgreSQL/MySQLではリージョン間読み取りレプリカ機能がGAに
エッジAIのための「Vision AI Developer Kit」がGAに
2019年10月17日 08時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、2019年9月1日~2019年9月7日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Movereを買収
Movereは、クラウド移行のテクノロジプロバイダーです。
Microsoftは、既存アプリケーションのAzureへの移行を促進するために、Movereの買収を発表しました。
- ブログポスト「Microsoft acquires Movere to help customers unlock cloud innovation with seamless migration tools」
- ブログポスト「Movere is joining forces with Microsoft – a blog by CEO Kristin Ireland」
Azure Reservations:月払い
Azure Reservationsは、一定期間(1年か3年)にわたって特定のAzureリソースの利用をコミットすることで、コストを削減できる購入方法です。
Azure Reservationsでは、これまで前払いで購入する必要がありました。今回、Azure Reservationsを月払いで購入できるようになりました。
Azure Cost Management:8月のアップデート
Azure Cost Managementは、マルチクラウド環境での使用料金の管理、監視、最適化のためのサービスです。
Azure Cost Managementの8月のアップデートとして、フィルターを使用したターゲット予算の作成、予想コストの作成などの新機能がリリースされました。
Azure Logic Apps:7月/8月のアップデート
Azure Logic Appsは、多数のコネクターを通してビジネスプロセスを自動化するワークフローを開発できる統合プラットフォームサービスです。
Azure Logic Appsの7月、8月のアップデートとして、難読化による実行履歴データの非表示などの新機能のリリース、Azure SQL Data WarehouseコネクタなどのGA(一般提供)、Azure Security Centerコネクタなどの新規リリースがありました。
Azure Kubernetes Service (AKS):Kubernetes 1.10.xのサポート終了
Azure Kubernetes Service (AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
8月5日に、Azure Kubernetes Service (AKS)でKubernetes 1.14がサポートされました。Kubernetesバージョンのサポートポリシーによって、Kubernetes 1.10.xクラスターのサポートは10月25日に終了します。10月25日までに、Kubernetes 1.10.xクラスターをサポート対象バージョン(1.11~1.14)にアップグレードしてください。
Azure DevOps:スプリント157
Azure DevOpsは、Azure Pipelines(CI/CDパイプライン)、Azure Boards(作業追跡ツール)、Azure Artifacts(パッケージ生成/共有)、Azure Repos(プライベートGitリポジトリ)、Azure Test Plans(テストソリューション)で構成される、開発チーム向けのサービスです。
8月にリリースされていたスプリント156に続いて、Azure DevOpsのスプリント157のアップデートがリリースされました。
スプリント157では、Azure Boardsのバックログでの作業項目の階層(エピック、フィーチャー、ユーザーストーリーなど)全体で進行状況を追跡できるロールアップ列などの新機能があります。
Azure Cognitive Services/Azure Machine Learning/Azure IoT Edge:Vision AI Developer Kit
Azure Cognitive Servicesは、画像認識、音声認識、自然言語処理といった、AIを活用したAPIサービスです。
Azure Cognitive Servicesの1サービスである「Custom Vision」は、カスタムの画像分類モデルを構築するサービスです。
Azure Machine Learning(Azure ML)は、機械学習の開発と実行のためのプラットフォームを提供します。Azure Machine Learningには、Azure Machine Learning Studio、Azure Machine Learningサービスという2つのサービスがあります。
Azure IoT Edgeは、分析やビジネスロジックをクラウド側ではなくエッジ側で実行できるようにするサービスです。
2018年5月のBuild 2018カンファレンスで発表されていた「Vision AI Developer Kit」が、GAになりました。
Vision AI Developer Kitは、インテリジェントエッジにおけるAI推論を促進する開発者キットです。この開発者キットには、QualcommのVision Intelligence 300 Platformを使用するカメラに加え、Azure IoT EdgeとAzure Machine Learningを使用したインテリジェントエッジソリューション開発に必要なソフトウェアが同梱されています。
Azure Cognitive ServicesのCustom Visionモデル、Azure Machine Learningを使ったでカスタム機械学習モデルを実行できます。Vision AI Developer Kit向けの開発を支援するVisual Studio Code拡張機能「Vision AI DevKit」もリリースされました。
Azure Cognitive Services:Form Recognizerの手書き/混在フォームサポート
Azure Cognitive Servicesの1サービスである「Form Recognizer」は、ドキュメントからキー/値ペアやテーブルデータを識別して抽出するサービスです。Form Recognizerは、現在プレビュー中です。
Form Recognizerで、これまでサポートされていた印刷フォームに加えて、手書きフォーム、印刷と手書きの混合フォームがサポートされました。
Form Recognizerは、現時点では英語のみをサポートしています。
Azure Cosmos DB:JavaScript SDK v1.x廃止
Azure Cosmos DBは、複数のデータモデル/APIをサポートしたグローバル分散型のNoSQLデータベースサービスです。
Azure Cosmos DB JavaScript SDKのバージョン1.x は、2020年8月30日にサポート終了の予定です。バージョン2.x、または7月にリリースされていたバージョン3.xに移行してください。
Azure SQL Database:Managed Instanceのインスタンスプール
Azure SQL Databaseは、SQL Serverベースのリレーショナルデータベースサービスです。
Azure SQL Databaseの一機能であるAzure SQL Database Managed Instanceは、オンプレミスのSQL Serverとの100%に近い互換性を持つデータベースサービスです。
Azure SQL Database Managed Instanceで、「インスタンスプール」がプレビューになりました。
インスタンスプールは、多数の小規模なSQL ServerインスタンスをAzureに移行するための便利でコスト効率の高い方法を提供します。インスタンスプールを使用すると、事前にプロビジョニングしたコンピューティングキャパシティを、複数のマネージドインスタンスで共有できます。
Azure SQL Data Warehouse:SQL Server Data Tools
Azure SQL Data Warehouseは、SQL Serverベースのデータウェアハウス(DWH)サービスです。
Azure SQL Data Warehouse向けのSQL Server Data Toolsのプレビューが、Visual Studio 2019でダウンロードできるようになりました。SQL Server Data Toolsは、Azure SQL Data Warehouseを使用してデータ分析ソリューションを開発する際に、安定した変更管理とデプロイのエクスペリエンスを提供します。
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