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ツイートから決まった「ニーア オートマタ」コラボPC爆誕について齊藤陽介氏に直撃インタビュー

2019年09月27日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●ジサトラハッチ

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10周年には何かある!?

編集部 FFXIVで「ニーア」シリーズを手がけたスタッフをゲストクリエイターとして迎えたレイドが実装されることもあり、それに合わせてニーア オートマタを遊んでみたというプレイヤーが非常に多く見られます。そういったユーザーを、今後、FFXIVだけでなくニーア オートマタにも興味を持ち続けてもらえるような施策は何か考えていますか?

2月に、パリで開催した「FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2019 in Paris」にて新アライアンスレイドとして「ニーア」シリーズを手がけたスタッフをゲストクリエイターとして迎えた「YoRHa: Dark Apocalypse」が発表された

齊藤 ニーア オートマタの世界を知らなかった人に知ってもらうという点で、今回のレイドは非常にありがたいお話でした。もともとニーア オートマタというゲームが、継続してゲーム自体のコンテンツを追加していくというスタイルではないので、ニーア オートマタをプレイしていただいて、再びFFXIVに戻っていただくのは全然問題ありません。

 ですが、来年の2020年はニーア オートマタの前作から10周年、ニーア オートマタから3周年になります。10周年に何もやらずにスルーするという話はたぶんないので、そこで何か“仕掛け”をできたらなと思っています。ニーアの世界が好きな方に満足していただけることをやろうとしています。なので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

編集部 FFXIVのプレイヤーに今回のレイドは実装前から話題のようですね。

齊藤 そうですね。具体的にアンケートをとったわけではないのですが、以前、ニーア オートマタのイベントを行った際に、プレイヤーの皆さんにFFXIVをプレイしているかどうかを聞いてみると、かなりの多くの方に挙手していただいて、プレイヤー層は結構重なっているのかなと実感しました。今回のレイドに関しては、プレイヤーの皆さんから「え?」という声も出てくるのかなと思っていましたが、結構違和感はないのかなと感じています。

編集部 今回のFFXIVとのレイドは、やはりニーア オートマタの世界観を大事にしたものなのでしょうか?

齊藤 そうですね。とはいえ、一緒に作っていますので、FFXIVの開発から提案ももらっていまして、思ったより機械生命体のデザインが格好良くなってますね。

編集部 ニーア オートマタとFFXIVでは画面の描作りが違っているように思うのですが、そのあたりはどう工夫されていますか?

齊藤 確かにコンセプトアートは両者で異なっています。ニーア オートマタは、ヨルハ部隊の衣装が黒いですし、ヨコオタロウ氏が派手な色使いを好んでいないということもあり、色数をあまり多くしない描作りになっています。ですが、FFXIVでも別次元に行っているような感じはせずに、今回のレイドは遊べると思います。

編集部 ニーア オートマタをプレイした人に話を聞いてみると、皆さん口を揃えておもしろいと好評でした。

齊藤 ニーア オートマタは、いいもの悪いものの区別があまりないお話なので、前作のニーア ゲシュタルト/レプリカントのほうが感情移入しやすいのかなと思っていました。この世界感で、話したいことや描きたいことがプレイヤーの皆さんにすんなり受け入れられるのかなと心配しながら開発を行っていたのが正直なところです。ですが、蓋を開けてみると、プレイヤーの皆さんが2Bや9Sといったキャラクターを愛してくれたので、ありがたいなと思っています。

編集部 ニーア オートマタのプレイヤーはどのような層が多いですか?

齊藤 もともとニーアの世界は耽美な感じというか、ゴシックな感じがすることもあり、女性ファンが意外に多かったですね。ニーアのピアノコンサートを開いたことがあって、そこにいらっしゃったお客さんが9割ぐらい女性の方でした。

 ですが、ニーア オートマタは、売れた本数が多かったことと、主人公が2Bという女の子のキャラクターだったことで、男性比率が半分ぐらいになりました。今回も夏コミ行ったんですけど、炎天下でも9Sのコスプレをされている女の子を見かけました。炎天下に生地がちょっと厚手で申し訳ないと思いつつ、ありがとうと思って見ていました。

編集部 ニーア ゲシュタルト/レプリカントのリマスター版を望む声も結構大きいと思いますが、今後、リマスター版を出す予定はありますか?

齊藤 リマスター版を開発する労力で、新しいことをしたいなという思いも個人的にはあります。ですが、

 現在、ニーア ゲシュタルト/レプリカントはPlayStation 3向けということもあり、現在はプレイできる環境がなくて、もっと多くの方にプレイしていただきたいという思いもあります。実はワールドワイドからも、リメイク版/リマスター版を求める声は非常に大きいです。誰か「リマスター版を作りました」って私のところに持ってきてくれないですかね(笑)

編集部 過去にDLCを発売しましたが、今後、新しいDLCを追加する予定はありますか?

齊藤 さすがにもうないですね。期待が高いことはわかってはいるのですが、そこにコストを掛けるのであれば、何か新しいことをやりたいですね。ニーア オートマタに関しては、コンサートや舞台を開いたり、グッズを出したりしていますので、そちらでプレイヤーの皆さんにはニーア オートマタの世界に触れていただければと思っています。具体的には何か言えませんけど、開発に関しては新しいことに挑戦したいですね。

編集部 それは2020年の10周年に向けて何か大きな動きがあるということでしょうか?

齊藤 物を出す云々ではなくて、何かしらのお話ができるように準備はしたいなと思っています。

 齊藤氏がお願いしたヨルハモデルから始まったという今回のニーア オートマタコラボPC。2019年秋には、このニーア オートマタコラボPCの発売を記念する形で、札幌、東京、京都、博多でニーア オートマタのイベントを開催する予定だ。これは、行ったことのない地域でファンと直接対話したいという齊藤氏の意向によるものだ。

 コラボPCの発売とイベントによって、齊藤氏が語るように1つの山がくることは間違いない。また、来年の10周年に向けてどのような動きがあるのかも、ニーア オートマタファンにとっては気になるところ。発売後2年経過しても、高い人気を保つニーア オートマタだが、コラボPC含め、今後もその動向に要注目だ。

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