魔法びんの技術が生かされたワイヤレスポータブルスピーカー登場
音に包み込まれた感がハンバない! VECLOS「SPW-500WP」+iPadでプライベートシアターを実現
2019年08月27日 11時00分更新
重低音技術による迫力ある音質
Amazonプライムビデオで『ミッション:インポッシブル フォールアウト』を鑑賞したが、低音域は、空間が震えるような音圧はないものの、パッシブラジエーターと「BEAT BLASTER」(後述)によって迫力がある。本体にはモード切り替えボタンが用意され、ボタンを押すごとにサラウンドと低域増強のオン/オフが選択できるが、低域増強をオフにした状態にすると、その違いがよくわかる。
アクション映画では、銃声や爆発音、緊張感を煽るビートの効いたサウンドが付き物だが、低域が弱くて非常に軽い音だと、迫力にかけてしまう。「BEAT BLASTER」による低域の増強は、臨場感だけでなく迫力が増し、映画の緊迫感を音で感じられた。
一体型Bluetoothスピーカーながら臨場感あふれる音を実現した技術
サーモスと聞くと、まず頭に思い浮かべるのが真空二重構造を用いた水筒だろう。熱を逃さないステンレス製の魔法びん構造を生み出したサーモスは、我々の生活を豊かなものにしてくれた。そんなサーモスのステンレス二重構造による真空技術を、音質を左右するエンクロージャー(スピーカーやドライバーを包み込むもの)に採用。高剛性と無駄な振動を抑制するため、クリアなサウンドを実現している。これまで「VECLOS」ブランドでヘッドホンやスピーカーといった音響製品を手掛けている。
今回紹介する「SPW-500WP」も、もちろんステンレス二重構造の真空技術を使った「真空エンクロージャー」を採用している。シリンダー形状で本体の左右にそれぞれ配置。高剛性により不要な共振が抑制されるため、明瞭感と定位感が向上。ノイズ感のないクリアなサウンドに仕上げた製品である。
左右のステンレス製シリンダーには、40mmのフルレンジスピーカーと低域増強用のパッシブラジエターを搭載。左右の音が混在しない構造になっており、各チャンネルの音をクリアに再現している。また、パッシブラジエターを水平方向に配置することで、不要な振動を抑制し、シャープな低音域を実現している。
ほかにはないこのスピーカーの優れた点が、音に包まれるようなサラウンド感を実現する「Dirac Panorama Sound」の採用だ。通常、左右のスピーカーが近いと、それぞれの音が混ざり合って耳に届くためステレオ感が喪失し、音場が不鮮明になる。そこで、「Dirac Panorama Sound」によって、左右の音が混じりあわずそのまま左右の耳に届くようサウンドを補正。コンパクトな一体型スピーカーながら、あたかも左右に離れたスピーカーから音が発せられたかのような、立体的な音空間が生まれ、臨場感を演出している。この効果の凄さは、先述した感想のとおりだ。
あわせて理想的な音響特性に補正する「Dirac HD Sound」を採用。筐体構造による位相歪みや共振などによって不明瞭な音となる原因を補正することで、聴き取りやすいクリアな音にしてくれる。
さらにパイオニア独自の「BEAT BLASTER」により、低音再生能力の厳しい小型スピーカーでも自然で迫力のある低音を実現している。これはスピーカーの能力以下の低音は、イコライジングしても再生されないが、倍音成分を加えることで、スピーカーの限界を超えた低音を感じることができるというもの。これにより低域を増強させ、迫力のある低音を再生している。
こうした技術が凝縮されたことで「SPW-500WP」は、コンパクトな一体型Bluetoothスピーカーでありながら、これまでにないサラウンドが体感できる製品なのである。なお、通信にBluetooth 5.0を採用しタブレットやスマホなどBluetooth機器と簡単に接続できる。