フル・ファクト(Full Fact)によると、フェイスブックはさらに透明性を高め、ファクトチェック(事実検証)プログラムをインスタグラム(Instagram)のような他のプラットフォームにも拡大していく必要があるという。フル・ファクトは、6カ月に及ぶ第三者団体によるフェイスブックの事実検証プログラムの一翼を担う非営利団体である。
フル・ファクトの発表は、フェイスブックのファクトチェック事業者による初の公開報告であり、ファクトチェック・プログラムが舞台裏でどのように機能しているか有益な知見を提供している。フル・ファクトの発表はこちらで閲覧できる。
デマと思われる投稿にフェイスブックの利用者がフラグを立てるとフル・ファクトが検証し、正しい情報かデマかどうかを示すラベルを付ける。デマと判定されても投稿が削除されるわけではないが、ニュースフィードでの表示順位は低くなり、少数の人しか見られないようになる。フェイスブックはこの計画にかかる費用を支払っているが、運営は独立した非営利団体や慈善団体などが担っている。
報告書は当たり障りのない柔らかな調子で書かれているものの、フル・ファクトが大きな懸念を抱いていることは確かだ。具体的にはフェイスブックが、自らが対応できる速度や処理可能なコンテンツの量について適切な準備をする前に、ファクトチェック計画の規模を急速に拡大し、世界42言語にまで手を広げていることを憂慮している。またフェイスブックは、投稿の内容やその影響を評価するのに十分なデータを、ファクトチェック事業者と共有していないという。さらに報告書は、具体的な方法については明示してないものの、フェイスブックが現在のファクトチェック・プログラムで採用している評価システムには改善の余地があると指摘している。
フル・ファクトの11の提言の大半は、より「コンテキスト」を必要とする評価、風刺や悪ふざけに対する評価、繰り返し投稿される有害コンテンツにフラグを立てる新たなツールの導入といった、フェイスブックに対する技術的なフィードバックだ。ほかには、フェイスブックは「機械学習の計画について明らかにする」必要があるとも述べている。最後にフル・ファクトは、政府は信頼できる情報を提供する責任について見直すべきだとしている。
報告書は、ファクトチェック・プログラムには労力をかける価値があり、同種の計画が他のプラットフォームにも拡大されるべきだと結論づけている。またフェイスブックは、フィードバックに対して対応しているようだとも伝えている。
ボールはフェイスブックに移った。もしフェイスブックが、報告書の内容に応じて有意義な改善を実施的できなかった場合、その事実はフル・ファクトから知らせてもらえそうだ。