とにかく快適! ながら利用で、ケーブルからも解放される
まだ開発中だが、試作機の音を体験することができた。完全ワイヤレス型にするためには、アンテナやBluetooth基板を仕込む必要があるが、まだここは完成していない。そこで試したのは、イヤホン部分は同じで、ネックバンド型Bluetoothレシーバーにつないだものとなる。通常のイヤホンと比べると、少しレンジが狭い印象はあり、特に低域の量感は抑えた印象だが、声などは非常に聞き取りやすく、音楽の再生でも十分実用的という印象だ。
というよりは、想像していたよりもずっと高音質だ。骨伝導方式でも一般的なイヤホンと変わらない、自然な聴こえが得られる点を改めて認識できた。試した会議室はかなり反響があり、音楽と一緒に聞くと空間の違いがあってやや違和感があったが、普通なら試聴中は無言になってしまう取材中でも、話をしながら音楽を聴くことができ、時間を有効に使うことができた。
耳をふさがずに周囲の音も聴ける、ヒアラブル製品は世の中に増えてきている。利点は周囲の音を聴け、ライフスタイルに溶け込んだ、ながら利用ができる点だ。例えばデスクワークをしながらの音楽を聴く、家事などをしながら使う、スポーツで使うなど様々なシーンが考えられる。密閉性の高いイヤホンでは、仕事中に急に同僚から話しかけられたり、来客の呼び鈴が鳴っても聞こえなかったり、屋外のジョギングなどでは危険につながるなど、利用シーンを選ぶ面がある。骨伝導型は鼓膜を揺らして聴く普通の音を聴きながらでも、骨が振動して耳に伝わる音楽が無理なく聴こえる。
BoCoでは、ソニーで経験を積んだエンジニアなどの意見も反映し、ワイドレンジでフラットな再生ができる、音楽用の骨伝導イヤホンの開発を続けている。
最後に磯部氏は以下のように話した。
磯部 「骨伝導の製品はニーズがあると感じていますが、まだまだ普及が進んでいません。その理由はいろいろありますが、やはり音質ではないでしょうか。デバイスの振動をより効率よく聴覚に伝えられるリスニングポイントを探すチャレンジを通じて、骨伝導は音質もいい。最高の音質が得られるのは骨伝導型のイヤホンだと言ってもらえるよう努力していきたいと思っています」
GREEN FUNDINGでの支援価格は、音楽用無線モデルが1万9800円(30%オフ、より安価なプランもあり)、聴覚補助用無線モデルは7万5000円(同30%オフ)だ。Early Bird(早期支援)であれば、さらに低い金額となる。また、割安なペア販売や学割プランなども用意されている。
完全ワイヤレスと、自然なながら利用ができる利便性を両立し、さらに屋外でも安心な完全防水(IPX7)機能も備えた「PEACE」は注目の製品になりそうだ。