仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第74回
Power Pointのデザインアイデアが機能強化
パワポのAIが進化、コーポレートカラーを考慮した自動デザインが可能に
2019年07月16日 13時30分更新
本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。
Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回は多くの読者諸氏が手放せなくなったであろうPowerPointのデザインアイデアに加わった新機能に注目する。
PowerPointのデザインアイデアがAIでさらに便利に
Microsoftが持つ膨大なデータを元に、PowerPointのスライドへ入力したキーワードなどを用いて、配色や背景画像を提示する「デザインアイデア」機能を実装したのは2016年4月だった。同社の公式ブログによれば、2019年4月で提供デザインの採用数が10億を超えたという。仕事のプレゼン資料を使うときは、印象的な画像をインターネットで検索した経験をお持ちの方は少なくないと思うが、デザインアイデアの登場で不要なアクションとなってしまった。
他方で多くの企業はコーポレートカラーといった企業デザインを用意している。すでにテーマ機能を用いてスライドマスターに企業のブランディングガイドラインを自身のスライドに適用する方も少なくないだろう。新たなデザインアイデアは、このテンプレートを踏まえて画像のトリミングやレイアウトの変更が可能になる。Microsoftの説明によれば、デザインアイデアに関する顧客から大きな要望を受けていたそうだ。
もう1つの新機能は「Perspectives」。スライドにビジネスの進捗を示す数値を挿入することが、Perspectivesはその数値を効果的に演出する機能である。同社のR&DであるMicrosoft Researchが研究開発した「Perspective Engine」とBingに続いて、デザインアイデアでも統合を図った。下図では、「アフガニスタンの大きさは、652,232平方キロメートル」をタイトルに入力すると、デザインアイデアの1つとして「テキサスの大きさと同じ」というメッセージがサブタイトルに加わっている。このように文章を解析し、数値を聴講者に分かりやすいような比喩を付け加える仕組みだ。本稿執筆時点でPerspectiveのサポート言語は英文のみ。多言語への展開に期待したい。
また、PowerPointではなく、PowerPoint Onlineが先行する新機能として「Coach(コーチ)」機能が今夏後半に実装する予定だ。こちらはプレゼンのリハーサルを行い、マイクを通じた音声を分析することで発言内容やタイミングなどを提案するという。Microsoftが示す一例では、「『umm』や『ahh』のようなフィラーワード(無意味な言葉)を使っている」と警告を発するそうだ。こちら現在未実装ながらも、社内プレゼンに初めて挑む新社員などに有効な機能となるだろう。
最後に新機能の提供範囲を整理したい。起動時からデザインアイデアが有効になるのはWindows/macOS版Office、Office 365。企業のブランディングガイドラインに則したテンプレート対応はWindows/macOS版Office 365 for Office Insider。Perspectiveは英語限定だがWindows/macOS版Office 365。コーチ機能はPowerPoint for Onlineを対象に今夏後半の実装を予定している。
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