今や、スマートフォンにも2000万画素を超えるカメラが搭載される時代。プロやハイアマチュア向けのデジタル一眼レフやミラーレスにいたっては、4000万画素を超える製品もザラにある。画素が増えれば、その分データ容量も増えていくのは当然のこと。 RAWで撮影しようものなら、あっという間にストレージがいっぱいになってしまう。
たとえば筆者が使用しているミラーレス機の場合、2000万画素で撮影するとJPEGなら1枚あたり8MBほどですむのにRAWだと20MB前後にまでファイルサイズが増加する。最高画質の8000万画素だとJPEGが30MB、RAWは130MB前後。これだと1回に100枚撮影したとすると、軽く10GBを超えてしまう。
そこで、頭の痛い問題となってくるのが、撮影データの管理方法だ。既成の外付けHDDを導入してそこに保存したとしても、いずれ足りなくなってしまうのは目に見えている。またHDDが故障でもしたら、せっかく撮りためた作品が一瞬でパーになってしまう。だからといってクラウドストレージに頼るのはリスクが大きい。採算が取れないからとサービスが終了することはよくあるし、規約や料金が変更になることはそれ以上にあるからだ。
そんな悩みを抱えるプロカメラマンや写真愛好家にお勧めしたいのが、米Drobo社の外部ストレージ「Drobo」シリーズだ。日本ではコンピュータ周辺機器やスマホアクセサリなどでおなじみのプリンストンが代理店となって販売・サポートを行っている。この製品、撮影データの管理にどう役に立つのだろうか? ここではそのメリットや便利な使い方を詳しく紹介していこう。
Droboなら撮影データを一元管理しやすい
パソコンの内蔵ストレージに収まりきらないデータを管理する際に、まず候補に上がってくるのが外付けHDDだ。とくに、最初からドライブが内蔵された完成品タイプの製品は、種類も豊富で取り扱いも簡単。買ってきてケーブルでパソコンにつなぐだけですぐに使い始められる。しかし、貴重な撮影データを保存するにはいくつか無視できない問題点がある。
たとえば、容量の問題。これらの製品は、多くの場合内蔵ドライブを交換したり追加したりできないため、容量が足りなくなれば別の外付けHDDを買い足していく必要がある。そうなると必要なデータをどこに保存したか分からなくなったり、同じデータを複数の外付けHDDに重複して保存していたりして、気がつけばファイル管理が完全に破綻してしまっていたということになりかねない。
また、耐障害性が低いという問題もある。残念ながらHDDは故障することがあるが、1台しかない内蔵ドライブが故障してしまったら、保存していた写真などのデータ類も消えて取り戻せなくなることがある。それを避けるため別の外付けHDDやクラウドストレージに多重バックアップをとる方法もあるが、その分手間やコストが余分にかかってしまう。
大切なデータの管理に適しているのが、自分で複数のドライブを組み込むキットタイプの外部ストレージだ(外付けHDDケースと呼ばれることもある)。なかでもDroboシリーズは拡張性や自由度、耐障害性が高く、取り扱いも簡単。データ転送も高速なので、大容量ファイルも快適に読み書きできる。
頻繁にアクセスするデータの保管には、まさにもってこいの製品。ラインナップも豊富でさまざまなモデルが用意されているが、写真データの管理にお勧めなのは、USB 3.0だけでなくThunderbolt 3にも対応した「Drobo 5D3」や「Drobo 5D3(Gold Edition)」だ。
前述の容量の問題に関して言えば、「Drobo 5D3」の場合は5台までドライブを内蔵できる。それらを組み合わせて最大64TBの単一のボリュームとして取り扱うことが可能。これだけの容量があれば、今まで複数の外付けHDDに分散して保存していたデータも1箇所に集約して管理できる。
といっても、はじめからドライブを最大数搭載しなくてもOK。導入時に最低2台のドライブを内蔵する必要はあるが、3台目からは任意のタイミングで追加していけばいい。しかも、すでに搭載しているドライブを後から交換することも可能。そのため、最初は容量の少ない安価なHDDを2台搭載して運用し、足りなくなったら随時新しいHDDを追加・交換して容量アップを図るということが簡単に実現できてしまうのだ。
万一、内蔵したドライブのいずれかが故障しても、データが安全に保護されるのもDroboのよいところ。ファイルを書き込む際に、複数のドライブに復元用のデータを分散して書き込んでいるため、いずれか1台のドライブが故障しても新しいドライブに交換することで簡単に復旧できてしまう(初期設定の場合。設定を変更することで最大2台までの故障に対応可能)。
(次ページ、「Droboなら導入も簡単!」に続く)
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