太陽系の近隣で、地球に近いサイズの惑星が2つ発見された。いずれも惑星の表面に水が存在する可能性がある「ハビタブルゾーン」に位置している。
ドイツのゲッチンゲン大学の研究チームは、ここ3年にわたって、太陽から12.5光年の距離にある恒星、「ティーガーデン星(Teegarden’s star)」の研究を続けていた。その中で、この星の周りを公転する2つの惑星に、地球との類似点がありそうなことを発見した。どちらの惑星も、水が液体状態で存在しうる領域を周回している。この発見は今週、専門誌『アストロノミー・アンド・アストロフィジックス(Astronomy & Astrophysics)』で公表された。
ティーガーデン星は非常に暗い星で、2003年まで観測されていなかった。地球から最も近い星の1つであり(わずか12.5光年しか離れていない)、太陽のおよそ半分の温度で、10分の1の大きさの「M型矮星」(赤色矮星)である。したがって、ティーガーデン星系において生命が存在しうる惑星は、太陽系と比べると、中心の恒星により近い位置にあり、より速いスピードで公転していると考えられる。今回の2つの惑星の発見は、新しい太陽系外惑星を探す「カルメネス(CARMENES)」プロジェクトの一環であり、スペインのカラーアルト(Calar Alto)天文台の望遠鏡に搭載された分光器(星の光のスペクトルを観測する機器)を用いて観測された。この機器を用いて、惑星の引力が恒星の光に対して及ぼす周期的な影響を調べた。
この2つの惑星に地球外生命体がいる可能性はあるだろうか? これらの惑星に私たちの暮らす地球と似た性質があるということは、確かに魅力的だ。しかしながら、その惑星の大気組成や、さらには生命の有無についても現在は確かめる方法がなく、もっと強力な天体望遠鏡の開発を待たなければならない。「ティーガーデン星系のどちらの惑星にも、生命が存在する可能性はあります」。カタルーニャ宇宙研究所のイグナシ・リバスは、ナショナル・ジオグラフィック誌の取材に対してそう語っている。「これらの惑星に本当に生命の居住が可能かどうか、さらに実際に生命が存在しているかどうか、いずれ分かるでしょう」。