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宅配ドローンよりも注目すべき、アマゾンの「走るコンベア」

2019年06月10日 07時54分更新

文● MIT Technology Review Editors

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アマゾンが、自社倉庫内で商品を移動させる2つの新しいロボットを開発した。

アマゾンは、6月4~7日にラスベガスで開催したカンファレンス「リ・マーズ(re:MARS) 」で、「ペガサス(Pegasus)」と「ザンザス(Xanthus)」という2つのロボットを披露した。このカンファレンスでは一連の奇抜な新型ドローンや歩道を走る配達ロボットも紹介されたが、「倉庫のアップグレード」はそれ以上に重要なものだ。

もちろんアマゾンは、以前からロボットを配送センターで稼働させている。配送センターでは、商品が積まれた棚を車輪がついた機械が収集人のところまで運んだり、梱包や輸送のためにコンベアが商品を仕分けして運んだりしている。

ペガサスとザンザスは、アマゾン倉庫における自動化をさらに推し進めることになるだろう。ザンザスはアマゾンの棚運搬用ロボットをアップグレードしたもので、より幅広い環境で稼働させられる。 ペガサスは、通常採用されているコンベアを置き換えるまったく新しいシステムである。

他の企業が派手な人工知能(AI)の実演に多くの関心を寄せている中、アマゾンはより高度なロボットの開発の最前線にいる。グーグルやフェイスブックと異なり、アマゾンの収益は、配送センター内で何十億もの商品をいかに移動させるかにかかっている。同社はまた、棚から商品を選ぶロボットの開発を推進するために企画しているコンテストに資金提供もしている。

だが状況は、アマゾンにとってはやや微妙だ。 同社は中小企業を壊滅させるとの批判をしばしば受けており、自動化の導入は、人間の労働者を置き換えるものとして強い批判を招きがちだ。ペガサスを監視する「フロー・コントロール・スペシャリスト」という新しい仕事が創設されたとアマゾンが強調していることは、驚くに値しない。

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