近々発売される、アイトラッキング機能を備えた「VIVE Pro Eye」も展開。目の位置や状態を正確に捉えることで、コンテンツのつくり方も変わってくる。たとえば、人間の目は視線の中心は鮮明に見えるが、周囲はぼやけている。そのため、VRの表示でも視線の中心は鮮明にし、それ以外の部分の解像度を落とすことで、描画するためのマシンパワーをほかの部分へ割くことが可能になるという。
また、操作方法も視線とジェスチャーを組み合わせることも可能となり、新たな使い方が生まれるかもしれないと期待されている。
「我々が目指しているのはリアルとバーチャルの間」(Raymond氏)というように、HTCが今年発売する予定の「VIVE Cosmos」はVRだけでなくXRが体験できるようになり、プレイヤーを新たな世界へ導くはずだと語った。XR(X-Reality)とは、VR、AR(Augmented Reality)やMR(Mixed Reality)の総称。
新たなSDKも提供され、XRエンジンやハンドトラッキング、3Dオーディオ、アイトラッキングなどをサポート。デベロッパーがイノベーティブなコンテンツづくりをしやすい環境を整えるという。
HTCによるコンテンツ提供ストアである「VIVEPORT」は、サブスクリプションを導入し、月額利用料を払えば無制限にコンテンツを楽しめる「VIEPORTインフィニティ」を開始。より手軽に楽しめる環境づくりにも注力している。
さらに、エコシステムの一環としてVR支援プログラム「VIVE X」を深センや北京、テレアビブ、台北、サンフランシスコ、ロンドンに続き今回初めて日本でも行なう。選ばれた企業は、資金面のサポートだけでなく、メンターやノウハウの共有、人材育成なども支援する。
同社が今注目している技術は5Gだ。日本でも来年本格導入される予定だが、5Gは帯域が広く遅延が少ないので、「VIVE Focus Plus」のような一体型VRヘッドセットでもクラウドコンピューティングを利用してPC接続の「VIVE」と同等のコンテンツを体験できるとしている。将来的には高価なPC不要で誰もがハイクオリティーなコンテンツを楽しめるようになるだろう。