開発者向けの年次会議「グーグルI/O」で、グーグルは新たなプライバシー保護機能をいくつか発表した。発表の骨子は次の通りだ。
- 地図アプリとスマホの検索バーに「匿名モード」を追加する。これによって、これらのサービス内でのユーザーの履歴が保存されなくなる
- 新たな「自動消去」機能では、グーグルがユーザーの履歴を保存する期間に期限を設定できる
- プライバシー設定へのアクセスをもっと容易にし、プロフィール画像からすぐにアクセスできるようにする
- 誰もが対象となっているオンライン上でのトラッキングを減らす対策の一環として、クッキー(Cookie)の使用を制限する
グーグルI/Oでは、人々の生活をもっと便利にし、利用しやすくするための新たな製品も多く発表された。ユーザーが選択したどんな動画や音声にでもリアルタイムで字幕を付け加えられる「ライブ・キャプション」、ユーザーの音声による命令で、映画のチケットなどを自動的にWeb予約する「デュープレックス」 などだ。
グーグルはまた、折り畳み式スマホの開発計画についても明らかにした(折り畳みスマホの発売延期を発表したサムスンよりもうまくいくことを祈っているに違いない)。
奇妙なことにグーグルは言及しなかったが、利便性とプライバシーの間には避けられないトレードオフがある。デュープレックスなどのグーグル製品の多くは、ユーザーから大量のデータを集めることで初めて最大限に機能する。グーグルがユーザーのデータを貪欲に収集していることについて不平をこぼしたところで、ほとんどの人にはなすすべがないのだ。
グーグルの新機能は、収集される私たちのデータを減らせるという点では意義深いかもしれない。しかし、どれだけの人がそれらの機能を実際に利用するだろうか?それほど多くはないだろうし、自社のビジネスモデルを維持するために、グーグルがそれをあてにしているのは間違いない。