米総合物流最大手のUPS(United Parcel Service of America)は、マターネット(Matternet)のドローンを活用した医療検査物の配送を米国内で開始した。
ドローンによる医療検査物の配送は、ノースカロライナ州ローリーのウェークメド病院と検査機関との間で実施されている。初フライトは3月26日で、現在は1日に10回ほど飛び回っている。米国連邦航空局 (FAA)に認可された商用ドローン配送スキームとしては初の試みで、今回のスキームが成功すれば、定期運用に向けた動きが高まる可能性がある。
ドローンの航続距離は約20キロメートル。最大約2.3キログラムの荷物を積んで飛行できる。プロジェクト用に設定されたルートに沿って自律飛行するが、不測の事態に備えて人間のパイロットが飛行状況を監視する。
現在、医療検査物のほとんどは自動車によって運ばれている。計画によって、病院周辺の交通量の減少や、コストの削減にドローンを活用することが期待されている。医療検査物の運搬は、まだ初期段階にあるドローン配達の説得力のある用途の1つだ(マターネットのドローンはルワンダやスイスで血液供給のために使われている)。そのほかの用途が商用化されるには、まだ時間がかかりそうだ。