欧州議会は3月26日、著作権法の改正案を賛成348票、反対278票で正式承認した。欧州連合(EU)加盟国はこれから2年間かけて、自国での施行へ向けて動くことになる。
改正案ではおもに2つの条項が批判を浴びてきた。1つは、フェイスブックやグーグルのようなアグリゲーターに対して、報道機関などへの著作権料の支払いを求めている第11条だ。もう1つは第13条で、巨大ネット企業に対し、ライセンスされていない楽曲や映像などの著作物を自動的にフィルタリングすることを義務付けている。漠然とした言い方だが、いずれもテック企業に対して、プラットフォーム上でのコンテンツのさらなる監視を求めている。
改正案をめぐっては、賛成派と反対派が徹底的に戦ってきた。賛成派には音楽業界や大手出版社が名を連ね、反対派には巨大テック企業に加えて、ネット上での表現の自由を損なうと主張する大規模な市民運動も含まれている。
正式承認された改正案は、第11条(通称「リンク税」と呼ばれている)によって欧州でのニュースサービスの停止に追い込まれる恐れがあったグーグルなどの企業の働きかけで修正され、当初案よりは妥協したものとなった。しかし、反対派はまだ満足しているとはとても言えない状態だ。