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プロカメラマンが解説! Photoshopの基礎

Lightroomでは、補正後のプレビュー時にGeForce GTX 1050の恩恵が大きい

デスクトップ向けCPUでRAWデータ処理や編集にも最適な15.6型ノートPC

文●周防克弥 編集●八尋/ASCII

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ストレージ速度は、SATA接続のSSDなら不満は感じないスコア
BTOでNVMe対応に強化可能

 ストレージの書き込み速度も気になるので、こちらはCrystalDiskMarkで計測してみた。ストレージはADATA製のSSDで、M.2スロットにSATA接続されている。

内蔵しているストレージはM.2スロットにSATA接続されたSSD

SSDの転送速度は標準的なスコアが出ている

 転送スピード自体は悪くない数値で、SATA接続のSSDなら不満は感じないスコアだ。なおNG5500シリーズではストレージにNVMe対応のSSDへカスタマイズ可能な機種やラインナップもあるので、少しでも処理時間を早くしたい場合には選択肢に入れるのもありだろう。

 なお約2400万画素のデジカメデータは解像度が6000×4000ピクセルあり、PSD16bit形式では1枚約140MB、JPEG最高画質では約10MBの容量がある。それを500枚となるとPSD16bit形式で約67GB、JPEGで約1GBになる。Lightroomでの現像処理でPSD形式での書き出しとJPEG形式の書き出しで実際に処理負荷の差がある可能性はあるものの、タスクマネージャーでの動作を見ていると単純にストレージへの書き出しがボトルネックになっている可能性が高いと感じた。

 しかし処理にかかる時間に関してはけっして遅いわけではなく、むしろ十分に早い部類に入る。これはCPUのベンチマークテストでも明らかになっているが試用機に採用されている第8世代Core i5-8400が第7世代Core i7-7700に匹敵する性能を持っているためで、処理速度そのものは十分に早い。ストレージに関してもボトルネックになっていそうな予感はするが、それでも速度的に不満を感じるようなレベルではない。

Lightroomでは補正後のプレビュー時にGeForce GTX 1050の恩恵が大きい

 次にLightroomで多くの補正機能を加えた状態での書き出しを試してみた。試用機のDAIV-NG5500M2-S5にはGPUとしてGeForce GTX 1050が搭載されている。LightroomやPhotoshopでは実はGPUの恩恵はそれほど大きくはないのだが、補正を行なった場合のプレビューでは効果が大きく、明るさやホワイトバランス、変形などのプレビュー時にGPUが使用されていることが多い。そこで、プレビューで利用しているなら現像処理でもGPUが利用されているかもしれないので、現像時の補正を多めに盛って試した。

画像に対して処理を行なうとすぐさまプレビューに反映される。この反映時にディスクリートGPUであるGeForce GTX 1050が動作している。稼働率はそれほど高いわけではないが、ディスクリートがGPUあるのとないのとでは確実に反応速度が変わってくるので、断然あったほうがよい

 なお、現像処理中にタスクマネージャーを確認すると、補正処理を行なわない場合はほぼGeForce GTX 1050は動作せず、補正項目を盛っても現像処理時にはやはり動作しているようにはみえなかった。現像処理自体には効果はなさげだが、明るさを変えて確認したり、色を変えたりと、実際に作業を行い、プレビューしているときにはGeForce GTX 1050が動作しているのが確認できるので、ディスクリートGPUがあるのとないのとでは作業効率は大きく変わる 。

写真編集に最適な高コスパノートパソコン

デスクトップ向けCPUやGeForce GTX 1050搭載でAdobeRGB比98%のディスプレーを採用する、写真編集に最適なノートパソコンだ

 DAIV-NG5500M2-S5は、たまの仕事などで持ち運びも可能な15.6型ノートパソコンに、AdobeRGB比98%の高色域ディスプレーをあわせることで、ワークステーションとして実用性の高いモデルに仕上がっている。商業印刷物を取りあつかうプロカメラマンの場合には、印刷後に色がしっかり再現されることが重要で、その判断をするディスプレーはかなり重要度が高い。またプリンターで印刷する場合でも色域が広いほうが補正作業が行ないやすく、デジカメの持つ本来の発色を楽しむことができるので、写真好きな人にもオススメできるマシンだ。

 第8世代のCore i5は基本的な処理能力が高く、今回のRAWデータ500枚の書き出しでもタスクマネージャーではCPUの使用率が100%まで上がってはいるものの、クロック数をみるとCore i5-8400のターボ・ブースト時の最大値である4.00GHzまでは上がることはなく、まだ余裕があるように思えた。

 3D系の作業や動画編集等になるとGPUがGeForce GTX 1050ではちょっと心もとない感じもするが、LightroomやPhotoshopで写真を扱う場合にはあまりGPUの性能は求められず、ないよりはあったほうがいいが性能はそれほど求められないため、低価格なGeForce GTX 1050を搭載している点も、写真編集に使うノートパソコンとしては理にかなっている。

 DAIV-NG5500M2-S5は、15万4224円からとリーズナブルでかつ高性能、写真をあつかうえで重要な色再現性の高いディスプレーを備えていることで、写真編集のための特別な1台となっている。

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