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Edition 15の密閉版、実売価格は40万円弱

Ultrasoneから振動板に金を使った超高級ヘッドホンが登場、「Edition 15 Veritas」

2019年03月08日 11時00分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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自然で生き生きとした響き、音楽の魅力が前に出てくる

 Editionシリーズの密閉型には、過去「Edition 5」という機種があった。ディティールの再現性に優れたチタンコートドライバーを採用している。GTCドライバーは、これよりもウォームな傾向であり、音調の違いがあるという。この特徴を生かしつつ、透明度の高さと、柔らかさを兼ね備えた「聴きやすいサウンド」を目指しているそうだ。

Edition 5は、2013年のモデルで価格は50万円弱、555台の限定生産だった。Edition 15はこのEdition 5の特徴を色濃く反映しつつ開発した経緯があり、見た目も近い印象がある。

 発表会場では、短時間だが試聴もできた。聴いてみると、中低域に「力感」があって、実にUltrasoneらしいサウンドに思えた。全体的には音楽を楽しく聴かせる「リスニング指向」のサウンドだ。特にオーケストラの再生では、各楽器の響きが生き生きと豊かに伝わってくる。Ultrasoneの理想とする音の方向感がしっかりと示された機種と言えるだろう。

 Astell&Kernの「A&ultima SP1000」と組み合わせ、オーケストラやポップスなどいくつかのソースを再生してみた。バイオリンや管楽器などの音色は派手過ぎず、地味すぎず、極めてニュートラルな傾向だ。突出した個性はないものの、真実味がある音と言える。

 腰のすわった低域を出すなどして、音楽をしっかりと聴かせるという味付けはあるものの、特定の周波数帯が目立つ感じや、きつさが出るといった印象とは無縁だ。中高域の抜けも当然のようにいいが、情報量一点張りではない。帯域はしっかりと上まで伸びているが、主張はしすぎず、長時間のリスニングでも聴き疲れしにくそうな「素直さ」を持ち合わせている。

 音場表現にも自然さがあり、密閉型特有の窮屈さがないのが魅力だ。低域はタイトではなく緩やかな方向性だが、広がりすぎることはなく適度だ。その上に、柔らかく滑らかな中音域、見通しがよくホールの繊細な残響まで表現する高音域が乗ってくる。その調和が絶妙である。

豪華な革張りケースも付属する。

アーム部にはシリアルナンバーを刻印。

 Edition 15 Veritasの価格はオープンプライスで、店頭での販売価格は40万円弱になる見込み。さすがに高価だし、誰もがすぐに手を出せる機種とは言い難い。しかしながら、風合いの変化を楽しみながら、長く付き合っていけそうな機種でもある。本体は軽く、柔らかいヘッドバンドやイヤーパッドの感触もよく、長時間使っても負担にならない。身近な場所に置いておき、折に触れて上質なサウンドに没頭したいと考えている人には、とても魅力的な機種になりそうだ。

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