ヨーロッパでの販売価格はわずか599ユーロ(約7万5000円)
5Gスマホでシェア1位を狙うシャオミの「Mi MiX 3 5G」
MWC19 Barcelonaでは数多くのスマートフォン新製品が発表されました。その中でも目立っていたのが、シャオミの存在です。ファーウェイを追いかける中国2番手メーカーとしてOPPO、Vivoに先駆けて5G対応端末「Mi MiX 3 5G」を発表。しかもハイスペックな製品ながら10万円を切る“低価格”で勝負を挑みます。
Mi MiX3 5Gは2018年12月発売の「Mi MiX」の5G対応バージョンです。CPUをSnapdragon 855にパワーアップし、5GモデムのX50も搭載しています。ディスプレーは6.39型(2340×1080ドット)、カメラは1200万画素+1200万画素のデュアルで、フロントカメラも2400万画素+200万画素と同じくデュアル仕様です。
特徴のひとつは本体形状で、背面がスライド式構造となっています。スライドさせると普段は隠れているフロントカメラが出てくるわけです。この構造によりディスプレーにはノッチが無く、スライドを閉じているときはフロント面がほぼすべてディスプレーとなります。
Mi MiX 3 5Gは2019年5月に発売予定で、発表会でも動作するモデルがデモされていました。5Gへの接続デモはスペインのキャリア、Orangeの5Gテスト回線を使いビデオ通話を行いましたが、トラブルもなく一発で接続できていました。
さて、Mi MiX 3 5Gの最大の武器は価格です。ヨーロッパでの販売価格は599ユーロ(約7万5000円)です。サムスンの「Galaxy S10 5G」は1000ユーロ以上、ファーウェイの「HUAWEI Mate X」はフォルダブルスタイルとはいえ1999ユーロもします。
また、Orangeも自社ブランドの5Gスマートフォンを出す予定ですが1000ドル以下の予定。もしかすると、より高性能なMi MiX 3 5Gのほうがキャリア独自5G端末より安いかもしれません。
さらにMi MiX 3 5Gはいくつかのキャリアから販売されることがすでに決まっています。3(Three)、Orange、サンライズ、テレフォニカ、TIM、ボーダフォンとヨーロッパの主要キャリアが年内の5Gサービス開始に合わせてMi MiX 3 5Gの取り扱いを始める予定です。
ちなみに、OPPOもMWC19でイベントを開催し5Gスマートフォンのチラ見せを行いましたが、販売予定キャリアはヨーロッパはスイスコムのみで価格も未定です。また、Galaxy S10 5GはMi MiX 3 5Gとヨーロッパの販売キャリアはほぼ重なります。
年内にはさらにほかのメーカーからも5Gスマートフォンは出てくるでしょう。しかし、しばらくは今の4Gスマートフォンほど種類は多くないでしょう。アップルのiPhoneの5G対応は早くても2020年と言われていますが、本格的な対応は2021年にずれ込むかもしれません。
プレーヤーの数が少ない5Gスマートフォン市場で高性能かつ低価格なシャオミのMi MiX 3 5Gがシェア上位、もしかするとトップに躍り出る可能性は十分にあるのです。4G端末と変わらぬ値段で買えるMi MiX3 5G、日本の5Gサービス開始とともに日本へぜひ参入してほしいものです。
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