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歩き方や操作の「クセ」で識別、米国防総省がスマホ認証を開発中

2019年02月28日 17時44分更新

文● MIT Technology Review Editors

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ペンタゴン(米国防総省)が現在テスト中の技術を使えば、歩き方、スマートフォンの持ち方、画面をスワイプする癖などによって、個人を識別できるようになる。

人の歩く動きや歩き方などの特徴を生体測定信号として用いることで、セキュリティを強化するのがこの技術の目的だ。もちろん、パスワードや顔認識などのセキュリティ技術はすでに存在している。しかし、新技術を使えば、正当なユーザー以外の人間がデバイスを持ち去ろうとしていることを、デバイス自身がすぐに検知できるようになる。歩き方の検出は長い間、生体認証に有用であると考えられていたが、ついに実用化が近づいている。

モバイル機器はサイバーセキュリティにおける弱点であり、ハッカーらがより大規模で、より重要なシステムに侵入する際に使われる可能性がある。これは巨大企業にとって特に深刻な問題だが、国家安全保障にも関係してくる。

ペンタゴンはスマホ製造業者と協働して、新たな生体認証技術を広く普及させたい考えだ。この技術はすでにスマホに搭載されているセンサーを利用する。あとは、ソフトウェアを用いて、デバイスを携帯しているかのが正当なユーザーなのかどうかの確実性を、動き方に基づいて計算するだけだ。

生体測定情報は、人々を管理する新たな手法を提供するため、プライバシーの問題も発生する。顔認識は有用なセキュリティツールであると同時に、企業や政府にとっては人々を追跡する強力な手段ともなっている。中国ではすでに、政府が国民を監視する新たな方法として歩き方(歩容認証)を利用している。

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