ファーウェイの輪番会長を務める郭平(Guo Ping)氏が2月26日(現地時間)、MWC19の基調講演に登壇した。昨年末から続く米国との緊張関係の中、同社のインフラ機器の締め出しに踏み切る国もある。ファーウェイと強い結びつきを持つ通信事業者も多い欧州で、郭氏は疑惑に対する反論とともに「セキュリティーのためにファーウェイを選んでほしい」と訴求した。
5Gを始めとする最先端技術の開発に1兆円以上を投じる
高速な5Gインフラは米国こそ必要としているのでは?
郭氏はまず「ファーウェイがこんなに話題になったことはない。何か正しいことをやっているに違いない」と冗談交じりに語った後、技術面でのファーウェイの優位性を説明した。
郭氏によると、2018年のファーウェイは150億ドル(約1兆6600億円)を研究開発に投じた。これは「世界でナンバー5」という。この結果、最先端の技術を開発すると同時にシンプル化も進めている。
性能面については「ファーウェイの5G技術は、100MHz幅で14Gbps以上の通信速度を実現できる」し、光ファイバーがあるところではブレードをインストールしてファイバーに接続するだけで、最大200Gbpsを実現する。ファイバーがないところではマイクロ波を利用するが、通常のマイクロ波での通信速度は1Gbpsだ。これに対し、ファーウェイは最大20Gbpsまで引き伸ばせる技術を開発しているという。
さらにはスマートフォン、CPE(Customer Premises Equipment、顧客構内装備)を含む端末事業も持つため「エンドツーエンドでの5Gソリューションを提供できる」と郭氏、すでに「事業者による拡張性のある形での5G実装を開始している」と述べた。
性能を客観的に示すため、郭氏は「ファーウェイの5Gは、米国で”5G”と言われているものよりも20倍高速」というZealerの報告書を紹介。先にトランプ大統領がTwitterでツイートした“米国には高速でスマートな5Gが必要”という発言を引用しながら、「大統領に同意する。米国にはパワフル、高速、スマートな5Gが必要だ」と語り、会場を沸かせた。
I want 5G, and even 6G, technology in the United States as soon as possible. It is far more powerful, faster, and smarter than the current standard. American companies must step up their efforts, or get left behind. There is no reason that we should be lagging behind on.........
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2019年2月21日
シンプル化では、アンテナの素材を工夫することでコンポーネントの数を99%減らすことに成功、カバーの軽量化も進めて、40%も軽量になったという。インストールも容易で、4Gのサイトや街灯に設置することもできるという。サイトの簡素化により、事業者は基地局に関するコストを減らすことができる。
技術面で郭氏が最後に紹介したのが「インテリジェンス」だ。「5Gは21世紀の技術だが、ネットワークのオペレーションと管理はいまだに18世紀」とし、2018年秋に発表したAIチップの「Ascend 910」「Ascend 310」を紹介した。
このチップをベースに、アルゴリズムやモデルを構築し、管理の効率化を進めるソリューションを開発しているという。「AIチップを利用して、あらゆるシナリオでインテリジェンスをもたらすことができる」「ネットワーク障害の70%が人為的なもの。通信事業者が安心できるように、ファーウェイはインテリジェントなネットワークを構築している」と続けた。
このような技術優位性を利用して、「ファーウェイはパワフル、シンプル、インテリジェントな5Gネットワークを構築できる」「世界中のどの通信事業者に対しても、どこよりも高速なネットワークを構築できる」と強調した。
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