GoogleアシスタントをMessagesでも利用可能に
チャット中に出てきた内容から情報を自動に表示
後半はGoogleアシスタント担当のエンジニアのBehshad Behzadi氏より、Googleアシスタントの新機能が発表された。
発表は大きく3つの方向性がある。
1つ目がハードウェアとソフトウェアの両方でのGoogleアシスタントの統合だ。
ハードウェアでは前日にHMD Globalが発表した「Nokia 4.2」にGoogleアシスタント専用キーが搭載されるなど、メーカーとの取り組みを進めている。同様のキーを搭載した製品はLG、Xiaomiなどからも登場するという。「Googleアシスタントの専用キーを搭載したデバイスは今後、1億台規模になると予想している」とのこと。
ソフトウェア側では、Googleアシスタントはすでにマップアプリへの統合を実現している、これをMessagesアプリにも拡大する。Messagesで他のユーザーとやり取りしているときに、会話から関連があると予想される情報を“Suggestion Chips”として提案する。
デモでは、「今日タパスに行く?」というメッセージに対して、タパスレストランを提案。その中から選択したレストラン情報をチャットの相手に送る。このときに複数のアプリを行き来する必要はない。さらに、レストランへの行き先、レストランに電話する、Yelpのレビューなどのアイコンが双方に表示され、タップすると実際の情報が表示された。
なお、Behzadi氏によると、米国ではナビゲーション、通話、テキストメッセージ、音楽再生などさまざまな用途に使われており、マップアプリとの統合によりGoogleアシスタントの利用が50%向上したという。
なお、GoogleアシスタントはローカルにあるAIを使うため、会話の内容がグーグル側に送られることはないことを紹介した。1対1のチャット、グループチャットの両方で利用できる。Messagesの統合は今後数ヵ月以内に利用できるようになる予定だ。
メールに含まれる予約番号から飛行機に直接チェックイン
端末内のすべての情報からユーザーの操作を簡単に
2つ目が、Googleアシスタントがスマートフォンのすべてにアクセスして情報を活用するというものだ。
具体的には、CESで発表した飛行機のチェックインについて提携を拡大した。当初は米国内のフライトのみが対象だったが、今回ルフトハンザ、スイスインターナショナルエアラインズ、オーストリア航空でも利用できるようになった。
フライト番号などを伝えることなく、「チェックインして」というだけで、オンラインチェックインプロセスをスタートできる。航空会社のウェブサイトに行き、メールからフライト番号や予約番号を探して入力する必要がなくなり、「大幅に簡単になる」という。
最新のフライトチェックイン機能は数週間以内に提供する。言語は英語とドイツ語のみ。
Googleアシスタントはフィーチャーフォンにも拡大し、HMD GlobalがNokiaブランドで採用する「Kai OS」でも、Googleアシスタントを使って自然言語で音声入力ができるようになった。Behzadi氏によると、エントリースマートフォンなどで音声による入力ができることで使い勝手やスマートフォンへの敷居が低くなる効果があるとのこと。
言語処理をさらに高める方向性にももちろん取り組む
3つ目は世界中の人が使えるアシスタント。たとえば、自然言語処理の改善。「バルセロナの天気は?」と天気を聞くだけでも、20種類もの聞き方があるという。デモでは「明日のバルセロナはテニスが楽しめる天気?」という質問に対しても、「バルセロナの天気は?」と同じ回答を返した。
また、「チューリッヒのフライトはいつ?」と聞くだけで、予約のメールから、航空会社とフライト番号、日時などを読み上げたり、「空港から家までの時間は?」と聞くと、自宅の住所を伝えずとも予想の所要時間を伝えた。
また会話的な機能として、最初に「エンパイヤステートビルディング」というとその情報を伝え、次に「高さは?」と聞くだけで、エンパイヤステートビルディングの高さを答え、「いつ?」と聞くと、建築された年を答えるなど、会話のようにGoogleアシスタントが機能している様子を見せた。
便利なのは、写真への応用だ。写真に写っているものを認識する技術と自然言語処理など複数の技術を組み合わせ「橋が写っている写真は?」「牛が写っている写真は?」と聞くと橋、あるいは牛が写っている写真を表示した。また、パブやスタジアムなど騒音がある環境での認識などにも取り組んでいるとのことだ。
こうした処理を実現させることで、「簡単に高速にやりたいことができる世界を目指している」とBehzadi氏はグーグルが目指す世界を語った。
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