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ASCII 春のベストセレクション 2019 第2回

TP-Link「Archer A10」をダブルテレワーク状態の我が家で使ってみた

新生活におすすめ、最新無線LANルーターの選び方

2019年03月15日 11時00分更新

文● 二瓶朗 編集●アスキー編集部

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我らインターネット酷使家族!?

 まず、筆者宅のネット利用環境について。端的に言えば、我が家はネットを酷使している家庭なのだと思う。

 筆者は基本的に自宅でデジタル系のあれやこれについて執筆している。常時ネットを参照するのはもちろん、大量のデータをやりとりしながらの作業が日常である。各種データがギガサイズに達することは珍しくないし、ネットの通信速度は速ければ速いほど助かるというものだ。

筆者は自宅作業がメイン。写真や入稿データのやり取りをするたびに数百MB~数GBが行き交う。Wi-Fiの速度は死活問題だ

 また、小2の息子はタブレットを使ってのYouTube鑑賞とFire Stick TVでAmazonPrimeのアニメ鑑賞が日課。HD画像は当然、ときには4Kコンテンツすら楽しんでいるようだ。ここでのデータ量も推して知るべし。

デジタルネイティブの息子はスマホやタブレットなども自由自在。頼もしい限りだが、そのぶん自宅回線は混雑の一途をたどっている

 ついでに私と息子の共通の趣味であるゲームもネットに大きく依存する。息子はSwitch+3DS、私はPS4という感じではあるが、今どきのゲームはマルチプレイはもちろん、たとえシングルプレイでもネット接続がないとプレイできなかったり、定期的にアップデート作業が発生する。そのため通信速度を確保できないと、かなりイラッと来てしまう。特に侮れないのはネット対戦系のゲーム。遅延や遮断は致命的だ。

 そして妻はわりと柔軟な企業に勤めていて、自宅でテレワーク作業をすることが頻繁にある。その際にはビデオ会議がコミュニケーション手段になるので、常時安定したネット回線は欠かせない。また妻と私は外出先のカフェなどから宅内のNASにアクセスすることもある。

妻と筆者は外出中に自宅のNASを参照することが多い

 こういったネットを酷使する家庭環境において、TP-Linkの無線LANルーター「Archer A10」がどのように活躍するのか、基本機能とともに紹介しよう。

ルーター買い替えのポイントその1
過酷な通信環境でも高速&安定

 そもそも「Archer A10」は速い。IEEE802.11ac/n/a/g/bに対応し、5GHz帯で1733Mbps、2.4GHz帯で800Mbps(いずれも下り、理論値)という、実売1万円前後の製品としては十分な通信速度だ。

 その速度の理由の1つが外部3本、内部1本のアンテナを搭載し、「MU-MIMO」に対応していること。旧式の無線LANルーターは、複数のデバイスを接続するとき、それぞれの通信を切り替えることで疑似的な同時接続を実現していた。そのためデバイスが増えることで順番待ちのタイミングが増えるので、通信速度が低下したり通信が不安定になったりすることもあった。

 しかしMU-MIMO対応機ならば、複数のデバイスを確実に接続して同時にデータ通信するため、デバイスの順番待ちによる速度低下が発生しにくい。「Archer A10」の場合は最大4台のデバイスを同時接続して通信可能。ちなみにMU-MIMOは、デバイス側の対応も必要ではあるが、ここ数年に登場したデバイスなら対応済のことが多い。

「MU-MIMO」対応によって最大4台のデバイスを同時接続することが可能

 「Archer A10」には「バンドステアリング」と呼ばれる機能が搭載されている。これは無線LANの5GHz帯と2.4GHz帯の混み具合を察知して、接続されるデバイスを自動的に切り替える機能だ。家族のネット利用が多い時間帯だと、パソコンやスマホが5GHz帯を占有してしまい遅くなりがちなのに対して、じつは2.4GHz帯は空いていて通信が快適、というような「通信が偏った」状況がなくなる。

「バンドステアリング」機能。5GHz帯と2.4GHz帯を自動的に切り替えて接続し、空いている帯域を有効的に使える

 さらに「エアタイムフェアネス」機能によって、「Archer A10」は通信速度が高速なデバイスと低速なデバイスが混在している環境でも効率的な通信を可能にする。

 複数のデバイスが接続されていると、低速デバイスの通信が終了するまで高速デバイスが「待ち」の状態になって、せっかくの高速通信を活かせないという状況になることがある。エアタイムフェアネス機能によって、デバイスの速度に関わらず通信時間が均等に分割され、高速なデバイスが待ち状態にならず快適化する、というわけだ。古い通信規格にしか対応していないデバイスと最新デバイスが混在しているような環境で大きな威力を発揮する。

 我が家の場合はこれで、耐久性がある一方で型落ちもよいところのレコーダーやプリンターといった家電群に、最新スマホが足を引っ張られずに済むのだろう。実際、ファイルのダウンロードやページ表示時に発生していた微妙な引っ掛かりが軽減されていると感じた。おそらく1秒差もないと思うのだが、毎回『なんか一瞬、引っ掛かるなあ……』と感じていた微妙なストレスが霧散した。これは大きい。

「エアタイムフェアネス」機能。低速なデバイスが通信を占有する時間を抑えることで、最新デバイスの高速通信を活かせる

 そして「Archer A10」にはお馴染み「ビームフォーミング」機能も搭載されている。一度無線接続が確立したデバイスの位置を探知して追跡し、場所が移動しても安定した電波を送信し続ける機能。たとえば居間で無線接続したスマホを使いながら寝室へ移動しても、電波状況が変わりにくく快適な通信を続けられる。

夫婦のダブルテレワークでも不満なし!

 といった感じで、「Archer A10」を導入した我が家では、3人家族がアチコチの部屋で同時に通信する過酷な環境にもかかわらず、快適な通信環境を享受できているのである。

 夫婦の「ダブルテレワーク」時に起こりがちだった『クラウドからのダウンロードがいつもより遅い……使えなくはないけれど、リズミカルに作業が進まない……!』という微妙なストレスからも解放された。

妻と筆者で同時に仕事を始めてみたが、体感速度は特に変わらず。Archer A10における三種の神器「MU-MIMO対応、バンドステアリング、エアタイムフェアネス」が効いているようだ

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