以前紹介した「Dead or School」にて触れた日本国内におけるクラウドファンディングのファイヤスターターは元カプコンの稲船敬二氏の「Might No.9」だと記憶している。この作品を皮切りに国内でもクラウドファンディングをやってみようという動きが起きたと記憶している。その動きに呼応するかのように先鋒急を切ったのが、今回紹介する「La-Mulana 2」である。
開発元であるNIGOROはビンタでのし上がる「薔薇と椿」やスカートをひたすら捲り続ける「捲り番長」などのFlashゲームも有名だが、もともとはGR3 Projectと言う旧世代PCである「MSX」のゲームを再現する集まりのサークルがベースとなっている。
当時GR3 Projectの最後の最後で発表されたのがコナミの「魔城伝説II ガリウスの迷宮」(MSX版タイトル)を、これでもかとオマージュした、今でも名高いフリーウェア版初代「La-Mulana」である。
残念ながら画面写真はオリジナルのフリーウェア版ではないが、配布されていたフリーウェア版はMSXのスペックをある程度再現しながら高難易度すぎる謎解きと凶悪なトラップの山で幾多のプレイヤーを葬った。
第86回はその遺跡の名前の由来であり、トラップや謎解きの怨嗟にプレイ中に何度も名前を叫んだ、楢村氏を含めた3人チームNIGOROの最新作「La-Mulana 2」を紹介する。
本作品は日本語字幕に対応している。詳しい操作などは後述するが、細かい操作が非常に多いためゲームコントローラーを推奨する。キーボードでは「ねぶられるぞ気をつけろ!」
イグ・ラーナ遺跡へようこそ!
前作ラムラーナ遺跡の崩壊から数年後、遺跡観光を主軸として地上の集落は発展を遂げていた。だが、封印された遺跡から怪物が再びわき始める。何が起きているのか調査すべく、本作の主人公である「ルミッサ=コスギ」は父であるルエミーザの代わりに人類の起源であるラ・ムラーナの遺跡へ赴くことになる。
ハンディスキャナなど一部のアイテムは、スタートボタンからアイテムメニューを開き、そこで装備してYボタンを押すことで使用できる。特にハンディスキャナでオブジェクトを調べまくるのは基本中の基本である。
また初代からお馴染みの要素として、常に持ち歩いている“MobileSuperX”というノートパソコンのアプリを使用することで、マップや隠し部屋の探索などの補助機能を使用することも可能だ。ただしアプリケーションが何処で入手できるは分からないので自分の足で探さなければならない。
ダンジョン探索と来れば勿論アレですよアレ
ダンジョンを探索していくと時には中ボスに出会うこともある。普通の雑魚敵とは違い、一発のダメージが非常に高かったりパターンが掴めなかったりと、クセのあるモンスターも多い。ただし逃げることも可能な中ボスも多いので、どうしても手が出ない時は素直に逃げるのもスムーズに探索するコツだ。
しかしながら遺跡探索は非常に危険で、謎解きやトラップ以外にもモンスターの攻撃によるノックバックでとんでもない目に合うことなども日常茶飯事である。だが、謎を解いた時の感覚と次に進んだ時の嬉しさはそれ以上だ。
前作もやってみよう
一応前作をプレイしていなくとも2から初めても問題はないが、今作のボリュームを鑑みれば、何も攻略を見ずにプレイするのであれば70時間以上プレイ時間はかかること請け合いである。2では前作で難があった操作性が改善されており非常に遊びやすくなっているだけではなく、謎解きの理不尽さもかなりマイルドにはなっている。とはいえ筆者がクリアまでにかかった時間は攻略を見ずに80時間以上かかっており、前作はそれ以上にかかっている。しかし、前作の話の延長である以上はやっておいた方が更に楽しめるだろう。
また、前作のプレイングマニュアルと今作のプレイングマニュアルは本作品を初めてプレイする場合でも読んでおくのをオススメしておく。探索の基本や、ある程度の設定など2から始める場合でも非常に役に立つ。NIGORO渾身のこだわりのガイドブックは必見の価値有だ。
そんな前作も本作品も難しいことは決して欠点ではない。誰かの悪意で舗装されている道筋は地獄ではあるが、その道を駆け抜けたときの爽快感はプレイしなければ分からない。何度もトライアンドエラーを繰り返し、最終的にクリアしたとき私の言葉が分かっていただけるであろう。
殺意も超えて、理不尽にも思える遺跡の謎をも解いたとき、そこに待つのは黄金郷かそれとも地獄か。国産インディー最大のアクション大作を是非とも体感してほしい。
「La-Mulana2」の推奨動作環境は?
最低動作環境の要件だけ見ると、2.3GHz以上のCore i5 CPUと、VRAM1GB以上のグラフィックス環境と、 ある程度Windowsが安定して動く環境があれば問題はないと思われるがCPU内蔵型のグラフィックでは厳しいだろう。近年のミドルクラスGPUを搭載していれば余裕だ。
『La-Mulana2』
●NIGORO
●2480円(2018年7月31日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル 独立系開発会社、アドベンチャー、アクション、メトロイドヴァニア、良BGM、難しい
© ASTERIZM CO., LTD. Game Production Division NIGORO All Rights Reserved.
Licensed to and published by Active Gaming Media Inc.
■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat
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