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さとうなおきの「週刊アジュール」 第36回

「Build 2018」アップデート AI編:Botや機械学習サービスも機能強化

Q&A自動作成AIサービス「QnA Maker」がGA

2018年05月21日 12時30分更新

文● 佐藤直生 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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Azure Cognitive Services:音声系サービスのアップデート

 従来、Azure Cognitive Servicesの音声系サービスとして提供されていた「Bing Speech API」、「Custom Speech Service」、「Translator Speech API」が統合された、新しい「Speech」サービスのプレビューがリリースされました。

 Speech to Text(音声テキスト変換)、Text to Speech(テキスト読み上げ)、Speech Translation(音声翻訳)がサポートされており、すべてカスタマイズ可能です。

 Speechサービスと統合された音声デバイスを開発するための「Speech Devices SDK」のプレビュー、C#、C/C++、Java向けのSpeechサービスのクライアントライブラリ「Speech SDK」のプレビューもリリースされました。

 SpeechサービスのSpeech Translation(音声翻訳)では、新しい「Custom Translator」機能によって、ニューラル機械翻訳(NMT)のカスタマイズが可能になりました。

 詳細は、ブログポスト「Azure AIプラットフォームの発表: 開発者向けの新たな革新」「Microsoft empowers developers with new and updated Cognitive Services」「Customize your neural translations with the new Translator custom feature」をご覧ください。

Azure Cognitive Services:知識系サービスのアップデート

 カスタムのQ&Aサービスを構築できるQnA Makerが、GAになりました。

 プレビュースタックは、2018年11月7日まで利用可能です。プレビューをお使いの方は、お早めにGAスタックに移行してください

 プレビューでのアーキテクチャが変更され、データプレーン(ランタイム)がユーザーのAzureサブスクリプション内のAzure App Service、Azure Search、Azure Application Insightsに配置されるようになりました。コントロールプレーン(管理サービス)は、引き続き、ユーザーのAzureサブスクリプション外部で動作します。

 プレビューでは、料金プランで指定されているトランザクション数を超えると、スロットリングが発生していました。今回のアーキテクチャ変更に伴い、Azure App Service、Azure Searchの適切なキャパシティをプロビジョニングしておくことで、スロットリングが発生しなくなりました。

 また、ナレッジベースを作成、管理するためのQnA Makerポータルが新しくなり、ポータルで、Q&Aのメタデータを管理できるようになりました

 新しいアーキテクチャでは、チャットログ、トラフィックやレイテンシのメトリックがAzure Application Insightsに格納され、Azure Application Insightsを使って分析できるようになりました。

 QnA Makerを、Azure RBAC(ロールベースのアクセス制御)を使って他のユーザーと共有できるようになりました。

 GAスタックをサポートした管理API 4.0がリリースされました。

 詳細は、ブログポスト「Azure AIプラットフォームの発表: 開発者向けの新たな革新」「Microsoft empowers developers with new and updated Cognitive Services」「Microsoft Conversational AI tools enable developers to build, connect and manage intelligent bots」「Announcing General Availability of QnAMaker」をご覧ください。

QnA Makerの新しいアーキテクチャ

Azure Cognitive Services:検索系サービスのアップデート

 Azure Cognitive Servicesの新サービス「Bing Visual Search」が発表され、GAになりました。Bing Visual Searchでは、入力画像に類似した画像の検索、入力画像を含むウェブ ページの検索などを行うことができます。

Bing Visual Searchの類似画像検索

 Bing Statisticsは、Bingベースの検索系サービス(Bing Web Search、Bing Custom Search、Bing Image Search、Bing News Search、Bing Video Search、Bing Visual Search、Bing Entity Search、Bing Spellcheck、Bing Autosuggest)のアドインです。Bing Statisticsを使うと、API呼び出し回数やトップクエリといったメトリックを参照できます。

 カスタム検索サービスを提供する「Bing Custom Search」では、カスタム画像検索、カスタム自動補完がサポートされました。

 1月にプレビューがリリースされていたBing Search API v7のC#、Java、Node.js、Python SDKが、GA(一般提供)になりました。

 詳細は、ブログポスト「Azure AIプラットフォームの発表: 開発者向けの新たな革新」「Microsoft empowers developers with new and updated Cognitive Services」をご覧ください。

Azure Cognitive Services:Cognitive Services Labsのアップデート

 Azure Cognitive Servicesの実験的プロジェクトを提供する「Cognitive Services Labs」で、新たに多数のプロジェクトが公開されました。

  • Project Answer Search
  • Project URL Preview
  • Project Anomaly Finder
  • Project Conversation Learner
  • Project Personality Chat
  • Project Ink Analysis
  • Project Gesture

 Project Conversation Learnerは、会話型インターフェイスが、対話の例から直接学習できるようにします。現時点では、英語のみがサポートされています。

 Project Personality Chatは、インテリジェントエージェントが雑談を処理できるようにし、フォールバック応答を削減します。3つの人格(専門的、友好的、ユーモアのある)が提供されています。

 詳細は、ブログポスト「Azure AIプラットフォームの発表: 開発者向けの新たな革新」「Microsoft empowers developers with new and updated Cognitive Services」「Microsoft Conversational AI tools enable developers to build, connect and m)nage intelligent bots」をご覧ください。

Project Conversation Learner

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