このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

さとうなおきの「週刊アジュール」 第36回

「Build 2018」アップデート AI編:Botや機械学習サービスも機能強化

Q&A自動作成AIサービス「QnA Maker」がGA

2018年05月21日 12時30分更新

文● 佐藤直生 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、先週の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。

 2018年5月7日から9日の3日間、米国シアトルでMicrosoftの年次開発者カンファレンス「Build 2018」が開催されました。5月8日に公開した「『Build 2018』特別号外:1日目基調講演のAzure新発表まとめ」に続いて、Build 2018でのアップデートのまとめを、IoT編、AI編、アプリ開発(コンテナー/サーバーレスなど)編データ編の4回に分けてお送りします。

http://ascii.jp/elem/000/001/679/1679837/

 本稿はAI編です。AzureのAI関連のアップデートをまとめて紹介します。

Azure Search:新機能「Cognitive Search」

 Azure Searchは、フルテキスト検索サービスです。

 今回、Azure Searchで、新機能「Cognitive Search」のパブリックプレビューがリリースされました。Cognitive Searchは、Azure Cognitive Servicesを活用して、Azure Searchでのインデックス作成時にテキスト抽出、自然言語処理、画像処理などの機能を追加するものです。

 Cognitive Searchをパブリックデータセットに適用したデモとして、JFK Filesがあります。JFK Filesについては、記事「誰がケネディを殺したのか――公開された暗殺文書をマイクロソフトのAIで解読」、ブログポスト「JFKファイルを探索するためにAzureとAIを活用」もご覧ください。

 詳細は、ブログポスト「Azure AIプラットフォームの発表: 開発者向けの新たな革新」「Announcing Cognitive Search: Azure Search + cognitive capabilities」、記事「『Build 2018』特別号外:1日目基調講演のAzure新発表まとめ」ドキュメントをご覧ください。

Azure Searchの新機能「Cognitive Search」

Azure Cognitive Services:ビジョン系サービスのアップデート

 画像認識サービスを提供する「Computer Vision」では、英語のOCRモデルが改善されました。

 また、画像の説明(Describe Image)が、英語に加えて日本語などをサポートしました。

 カスタムの画像分類モデルを構築できる「Custom Vision」では、物体検出機能がサポートされ、画像内での特定の物体の位置を認識できるようになりました。

Custom Visionの物体検出

 また、Android向けのTensorflow形式、iOS 11向けのCore ML形式に加えて、Windows ML向けのONNX形式でもCustom Visionモデルをエクスポートできるようになったほか、Azure IoT Edgeデバイス上でもCustom Visionモデルを実行できるようになりました。その他のアップデートについては、リリースノートをご覧ください。

 ビデオに対して書き起こし、顔認識、文字認識、主要フレーム抽出、感情分析、翻訳といった機能を提供する「Video Indexer」では、ユーザーのAzureサブスクリプション内のAzure Media Servicesアカウントに接続するように変更されました。Video Indexer自体は無料ですが、接続されたAzure Media ServicesやAzure Storageの料金が発生するようになります。既存の無料プレビューは90日間利用可能なので、既存ユーザーは新モデルに移行してください。

 また、Video IndexerのサイトVideo Indexerポータルが、英語に加えて、日本語などにもローカライズされました。

 詳細は、ブログポスト「Azure AIプラットフォームの発表: 開発者向けの新たな革新」「Microsoft empowers developers with new and updated Cognitive Services」「Build 2018: Video Indexer updates」「Build 2018: What's new in Azure video processing and video AI」をご覧ください。

Azure Cognitive Services:言語系サービスのアップデート

 文章から意図を理解するカスタムモデルを構築するLanguage Understanding(LUIS) では、音声からテキストへの変換とテキストからインテントへの変換を統合した「Speech to Intent」(音声からインテント)、正規表現エンティティ、パターンがサポートされました。

 テキスト分析機能を提供する「Text Analytics」では、エンティティリンク機能のプレビューがリリースされました。

 テキスト翻訳を行う「Translator Text API」では、新しいAPIとなるV3がリリースされました。Translator Text API V3では、既定でニューラル機械翻訳(NMT)が使われます。単一のAPI呼び出しで、複数言語への翻訳が可能になりました。英語とほかの言語との間のバイリンガル辞書機能がサポートされました。

 Translator Text API V3の新しい「Custom Translator」機能によって、ニューラル機械翻訳(NMT)のカスタマイズが可能になりました。

 詳細は、ブログポスト「Microsoft empowers developers with new and updated Cognitive Services」「Microsoft Conversational AI tools enable developers to build, connect and manage intelligent bots」「Full-integrated experience simplifying Language Understanding in conversational AI systems」「Introducing Translator Text API V3: natively neural with advanced capabilities」「Customize your neural translations with the new Translator custom feature」をご覧ください。

Custom Translatorによるニューラル機械翻訳(NMT)のカスタマイズ

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事