「Riverbedデジタルパフォーマンスプラットフォーム」拡販へ、丸紅情報システムズとの販売契約も
リバーベッド、2018年度は“WAN最適化が9割”の事業から転換へ
2018年04月25日 07時00分更新
リバーベッドテクノロジーは2018年4月24日、新年度(2018年度)の国内事業戦略説明会を開催した。WAN最適化ソリューション「Riverbed SteelHead」をビジネスの主軸としてきた同社だが、製品ラインアップの拡充と統合プラットフォーム化を受け、2018年度は他領域のビジネスも拡充していく。その施策の一環として、丸紅情報システムズとの販売代理店契約締結も発表された。
新領域ソリューションの販売拡大を通じて「年率30%の成長」目指す
キーリー氏はまず昨年度(2017年度)のグローバルでの業績から説明した。年間収益は前年度比で30%強(EBITDAベース)成長し、売上は10億ドル以上となった。
強い成長の原動力となったのが、複数製品を組み合わせた「プラットフォーム」としての導入が増加したことだ。キーリー氏は「40%のディール(受注)が複数製品を組み合わせたものだった」と述べ、企業買収なども行って新領域の製品/ソリューションを拡充し、統合的なプラットフォームを構築してきた成果であることを説明する。
また、SteelHeadが依然としてビジネスの大きな柱であり、ゆるやかに成長していることに変わりはないものの、他領域のビジネスが大きく伸びた結果、グローバルの売上に占めるSteelHeadの割合は60%程度まで下がっていると述べた。
特に成長したソリューションとして、導入済みの500社強に加えて1600社が試用中だというSD-WANソリューション、顧客ニーズが高まっているSaaS版のSteelHeadなどを挙げた。また、この4月には創業CEOだったジェリー・M・ケネリー氏が退任し、新しいCEOとしてポール・モントフォード氏が就任している。
こうした結果を受け、2018年度も引き続き高い目標を掲げていく。「2018年度は“新しいリバーベッド”のDay 1となるだろう」(キーリー氏)。
日本法人における2018年度の事業戦略では「年率30%の成長」を目標に、プラットフォームとしての販売を強化していく。クラウドアプリケーション利用時のパフォーマンスを最適化する「SteelHead SaaS」、エンドユーザーエクスペリエンス監視ソリューション「SteelCentral Aternity(アタニティ)」、エッジコンピューティングソリューションの「SteelFusion」、SD-WAN/SD-LANソリューションの「SteelConnect」などをラインアップしたポートフォリオを武器に、特に製造業、自動車産業など重点産業分野での案件獲得を目指すという。
丸紅情報システムズが販売契約、日本語サポートやプリ/ポストセールスを強化
キーリー氏は、これまでの日本法人ビジネスは「99.8%以上がWAN最適化、SteelHeadのビジネスだったが、これを変えていく。今後半年程度で、売上の3分の1はSteelHead以外のプロダクトという比率にする」と目標を述べた。
ただし、同社 チャネルディレクターの川崎桂造氏によると、これまで同社が日本語で技術サポートしてきたのはSteelHeadだけであり、その他のソリューション群を含む「Riverbedデジタルパフォーマンスプラットフォーム」の販売を拡大していくうえでは、日本語サポートやプリ/ポストセールス体制の面で課題があったという。そのため、新たなパートナープログラム「Riverbed Rise」を始動させた。
さらに今回、丸紅情報システムズとの販売代理店契約が締結された。ゲスト登壇した丸紅情報システムズ 執行役員 IT基盤ソリューション事業本部 事業本部長の小谷真一氏は、リバーベッドのソリューション群に丸紅情報システムズが持つ「500社の国内販売チャネル」や「日本語サポート&サービス」といった強みを加えることで、「リセラーがより売りやすい体制を整えていく」と抱負を語った。
リバーベッドの川崎氏も、丸紅情報システムズによるサポートやプリ/ポストセールス体制が加わったことで、これまでSteelHead以外の提案ができなかったリセラーでも売りやすくなったと語った。デジタルパフォーマンスプラットフォームの販売拡大ターゲットとしては、SteelHeadの既存顧客に対するアップセル提案に加えて、そうしたパートナー経由での拡大も見込んでいると述べた。