量感のある低域が見通しよく鳴る、小型になったのもうれしい
実際に聴いてみることができた。Astell&KernのA&ultima SP1000との組み合わせで試した。傾向としては中低域の腰が据わった、太くパワフルな鳴りっぷりで、かつ見通しのいい点が好印象。量感がある一方で、特定の帯域で音がかぶったり、曇ったりしない点がいい。バランスとしては低域によっているが、高域の抜けもいい。
このあたりは打楽器やベースなどでよくわかるが、例えば上原ひろみの「ALIVE」から表題曲を聴くと、ドラムが非常に明瞭。本当に低い音の沈み込みがやや浅いせいか、きもちポコポコした音色になるきらいはあるが、音離れがよく量感も十分にあるので曲想や細かなニュアンスがよく伝わってくる。
またポップスではRADWIMPSの「前前前世」を聴いてみたが、ベースやドラムなどのリズム帯に男性ボーカルがかぶって音がつぶれたりしない。ビート感をノリよく表現するので、男性ボーカルをロックに聞きたいといった用途にも適している気がした。
装着感としては、まずノズルが直線的で少し長め。密閉感が悪いと低域の量に変化が出るので、ベストの場所を探る必要がある。とはいえ、JH-Audioの機種としてはコンパクトにまとまっており軽めでもある。装着しやすい機種と言えそうだ。
赤い本体のデザインもこれまでにない雰囲気であり、価格もMichelleよりさらに低く抑えている。AK70 MKIIなどコンパクトで高品質なプレーヤーと組み合わせて、外出先などでJHサウンドを手軽に手に入れたい人などにはベストマッチとなる製品に感じた。