VR体験中に没入感を最も邪魔するものと言えばケーブルです。どんなにVR映像がリアルでも、足にケーブルがからまったり、プレイエリアの移動中にケーブルで頭が引っ張られてしまったら、あっという間に現実世界に引き戻されてしまいます。そこで発売されたのがPC用VRワイヤレスキットの「TPCAST Wireless Adapter」です。
本製品はHTCのVIVE用、Oculus Rift用がリリースされていますが、日本で正式に発売されているのはVIVE用の「TPCAST Wireless Adapter for VIVE」のみ。価格は実売3万8800円から、ツクモネットショップやヨドバシカメラなどで購入できます。
今回日本販売元のアスクより実機を借用したので、セットアップから使用感までレビューします。今回は、すでにVIVEを有線でセットアップしていることを前提としています。SteamVRのインストールやルームスケールのセットアップは、事前に行なっておいてください。
マニュアル必須の複雑なシステム構成
本製品はPCに取り付ける送信機「PC TX Module」、VIVEヘッドマウントディスプレーに取り付ける受信機「RX Module」、電源ユニット「Power Box」、バッテリー「Portable Power Bank(20,100mAh)」、専用ケーブル、HDMIショートケーブル、バッテリーポーチ、ルーター、ルーター用電源アダプター、ネットワークケーブルなどで構成されています。
システムを構成するアイテム数が多いので、マニュアルなしでセットアップするのはかなり困難です。パッケージ内のマニュアルかウェブ上に公開されているマニュアル、セットアップ解説ビデオなどを見ながら進めましょう。
アイテム数が多いので最終的な完成形が見えにくいですが、要は「RX Module」をVIVEヘッドマウントディスプレーに、PCに「PC TX Module」に取り付け、ルーターは元々のルーター(自宅にあるルーター)とPCの間に取り付けます。Power BoxとPortable Power Bankは、RX ModuleとVIVEヘッドマウントディスプレーに電源を供給するためのものです。