思わせぶりな広告は無視が基本
ウイルスを駆除するハズがウイルス感染!? バナー広告に潜む罠
2018年06月06日 17時00分更新
近頃、インターネット利用中に、「あなたのスマートフォンはウイルスに感染しています!」など危機感をあおる広告を表示することで、ユーザーをだまして特定のページに誘導し、ウイルス入りアプリをダウンロードさせる手口が横行しています。
画面を覆って警告してくる、おどろおどろしい広告は偽物かも!?
最近になってスマートフォンを使いはじめたAさん。
いつものようにスマートフォンで調べものをしていると、ページが表示された途端、画面いっぱいに「緊急!あなたのスマホがウイルスに感染しています」と書かれた広告が表示されました。
慌てたAさんがすぐにその広告をタップすると、セキュリティー企業のものらしいウェブサイトが開きました。そしてほどなく、「スマートフォンをスキャン中。削除対象のウイルスをチェックしています」との表示が。
しばらく待っていると、また画面が切り替わり、驚くべき結果が。
「あなたのスマートフォンは12個のウイルスに感染しています。いますぐ下記のリンクから無料の駆除アプリをダウンロードしてください」。
ウイルスに感染するようなことをした覚えはありませんが、無料アプリで対処できると知り安心したAさんは、迷わずリンクをタップし、表示されたウェブサイトからアプリをインストールしました。
※以上はフィクションです。
むやみに危機感をあおる広告はタップせず、ブラウザを終了しましょう
さて、Aさんの行動の誤りにお気づきになりましたか。じつは、インターネット利用中に表示されていた「緊急!あなたのスマホがウイルスに感染しています」という内容は真っ赤なウソです。Aさんのスマートフォンが、実際にウイルスに感染しているかどうかにかかわらず表示される、単なる広告に過ぎません。
上記はフィクションですが、Aさんがアクセスしてしまったような広告は実在します。これらは「フェイクアラート」と呼ばれ、あたかもユーザーのスマートフォンに問題があるかのような表現で、ウェブサイトやアプリのダウンロードサイトへ誘導します。
今回の例では「ウイルス感染」をうたっていますが、なかには「メッセージが届いている」という内容で、あたかもスマートフォンにメッセージが着信したかのようなアイコンを同時に表示しているケースもあるのです。
これら広告の目的は、自社サイトへの誘導や、ユーザーのスマートフォンに特定のアプリをダウンロードさせることです。
前者はサイトのアクセス数を稼ぐため、後者は特定のアプリをインストールさせることで報酬を得るためが多いようです。悪質な例では、ユーザーの情報を抜き取るアプリをインストールさせることも。
つまり「ウイルスに感染」という言葉を使ってユーザーの危機感をあおり、それを駆除したいというユーザーの願望と反対に、ウイルスに感染させようとする行為なのです。
これらの被害を防ぐためにも、インターネット利用中になんの脈絡もなく表示された、警告や通知のような広告は、まず疑ってかかるべきです。実際にメールや電話がかかってきたとき、あるいはアプリがスキャンをするとき、自分のスマートフォンがどういった表示・挙動を示すのか、普段からよく観察しておくことも重要です。
対策としては、表示されたページを閉じる、もしくはブラウザ自体を終了させるのが有効です。
この連載の記事
-
第98回
sponsored
偶然出会った友人から暗号資産投資のお誘いが……財産を根こそぎ奪う詐欺の恐怖 -
第97回
sponsored
秋から年末年始の時期は「安売りセール」に便乗した詐欺にご注意を! -
第96回
sponsored
あなたを騙す「危ないURL」が動画サイトで増殖中! ウイルス感染の恐れも -
第95回
sponsored
突然ウイルス感染報告と電話番号が! それは偽警告です -
第94回
sponsored
診断系サービスは楽しいけれど……SNS乗っ取りに注意 -
第93回
sponsored
インフラ会社を装ったサイバー攻撃はAndroidスマホと日本人が標的だった! -
第92回
sponsored
意外!? 高齢者もアダルト情報のワンクリック詐欺に注意 -
第91回
sponsored
偽の『dカード』利用停止メールに要注意。クレカを乗っ取られる恐れあり -
第90回
sponsored
詐欺に私たちがコロっと騙されてしまう理由は3つのKにアリ! -
第89回
sponsored
Wi-Fiは「鍵マーク」付を選んで使いましょう! 安全に通信できます -
第88回
sponsored
スマホに延々と『ウイルス発見!』の通知が届き続ける!? - この連載の一覧へ