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GUI日本語化記念、ネットギアのアンマネージプラススイッチをあらためて知る(前編)

「アンマネージプラススイッチ」とは何か? メリットは?

2018年03月27日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ネットギア

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 ネットギアでは今月、販売中のアンマネージプラススイッチ3機種(GS108E、GS108PE、GSS116E)に対応する最新版のファームウェアをリリースする予定だ。このファームウェアへのアップデートによって、GUIの管理画面を日本語表示に切り替えることができるようになり、これらのスイッチ製品がさらに使いやすくなるという。

最新ファームウェアで管理画面の日本語化に対応したアンマネージプラススイッチ3機種(左からGSS116E、GS108PE、GS108E)

 ところで、この「アンマネージプラススイッチ」という製品カテゴリはネットギア独自のものだ。いったいどんな特徴を持つのか、まずはネットギアのスイッチ製品ラインアップを参考にほかの製品カテゴリと比較し、そのメリットを調べてみよう。

中小規模の企業ネットワークに最適な「価格」と「機能」を備える

 ネットギアの法人向けスイッチ製品には、大規模ネットワーク向けの「マネージスイッチ」から、中小規模向けの「スマートスイッチ」「アプリ&クラウドスイッチ」、小規模/SOHO向けの「アンマネージスイッチ」など、たくさんの製品カテゴリが存在する。それぞれターゲットとするネットワーク規模と、対応する/備える管理機能が異なる。大まかな違いは次の表のとおりだ。

ネットギア法人向けスイッチ製品、各カテゴリの違い

 この表のとおり、アンマネージスイッチはネットワーク管理機能を一切持たない。ケーブルを接続すれば同一のイーサネットにつながるシンプルなスイッチであり、その意味ではコンシューマー向けのスイッチ製品と変わらない(もちろん法人向け製品なのでハードウェアは堅牢に設計されているが)。そして、管理機能を備えないぶん価格は安い。

 今回のテーマであるアンマネージプラススイッチは、このアンマネージスイッチをベースに、中小規模の企業ネットワークでもあると便利な機能を「プラス(追加)」したものだ。具体的にはポートVLAN/タグVLAN、QoS、リンクアグリゲーションが利用できる。

 もちろん、より上位カテゴリのスイッチ(スマートスイッチなど)もそうした機能は備えているのだが、逆に中小規模ネットワークでは必要のない機能もあり、そのぶん値段が高価になってしまう。つまりアンマネージプラスは、ネットギアが中小規模の企業ネットワーク向けに、「価格」と「機能」の最適なバランスを考えて作った新たなカテゴリというわけだ。

 ちなみにギガビット8ポートスイッチの税込定価で比べてみると、管理機能のないアンマネージスイッチ「GS108」が7776円、管理機能のあるアンマネージプラススイッチ「GS108E」が8640円と、わずかな差しかない。

 なお、アンマネージプラススイッチの管理インタフェースはWebブラウザベースのGUIであり、コマンドライン操作を覚える必要はない。加えて、今回のアップデートでGUIが日本語化されたモデルはさらに簡単に、誰でも管理できるようになったと言えるだろう。

アンマネージプラススイッチの導入でネットワークをアップグレード

 安価で便利な機能も備えるアンマネージプラススイッチは、中小企業やSOHOのオフィスネットワーク、あるいは店舗端末や防犯カメラを接続するためのネットワーク構築などでよく導入されている。具体的にどのようなシーンで便利に使えるのか、幾つか例を挙げてみよう。

中小規模のネットワークにおけるアンマネージプラススイッチの利用法

 VLANを使えば、ひとつの社内ネットワークを仮想的な複数のネットワークに切り分けることができる。たとえば、オフィスの業務用ネットワークと来客用ゲストネットワークを切り分けたり、PC用と業務端末(POSレジなど)用ネットワークとを切り分けたりするのに便利だ。

 VLANにQoSを適用すれば、トラフィックの優先度を調整できる。VoIPやビデオ会議に専用のVLANを用意し、ほかのトラフィック(PCの通信など)に影響を受けて通話品質が落ちないようQoSを適用する、といった使い方が代表的だ。

 また、アンマネージプラススイッチはリンクアグリゲーションにも対応している。社内ネットワークの基幹部分、あるいは業務サーバーやReadyNASとの接続を冗長化することで、トラフィックの混雑を緩和しつつ、回線障害への備えにもなる。

 ネットワークの規模が大きくなってくると、ネットワークの基幹部分はスマートスイッチなどの機能が必要になるかもしれない。それでも、エッジ(末端)部分はアンマネージプラススイッチで十分ということもあるはずだ。適材適所でうまく組み合わせることにより、コストパフォーマンスの高いネットワークが実現する。

 以上、今回はアンマネージプラススイッチの特徴と、その便利な使い方を紹介した。次回の後編記事では、実際にリリースされたファームウェアを使い、アップデート手順や設定方法などを紹介しよう。

(提供:ネットギア)

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