中国でWindows搭載激安タブレットといえば、8インチモニター、Atom CPU(Cherry Trail)、1GBメモリー、16GB eMMcストレージという非力なスペックながら、(中国では)1万円以下で販売され、当時としては衝撃だった。
筆者が「酷比魔方」の激安タブレット「iWork 8」を購入したのは4年前になる。
その後はディスプレーサイズが10.1インチや11.6インチに、メモリーが2GBや4GBに、ストレージが64GBや128GBにスペックアップした製品が発売された。
スペックアップはされたが、USBコネクターがmicroUSBコネクターしかなく、使い勝手はいいとはいえなかった。
中国でもタブレット人気が減る中で、マニアは食いつき、薄型タブレットにフルサイズUSBをつける改造が編み出されたが、実用的とはいいがたい。
ところが、最近複数の中国Windowsタブレットメーカーがリリースした激安Windowsタブレットは、実用的なUSBポートがないという問題を一気に解決した。
中国(Windows、Android)タブレットメーカーで定番となる「酷比魔方(読み方:クービーモーファン、英語名:icube、以下同)」「台電(タイディエン、telcast)」「昴達(マオダ、Onda)」「馳為(チウェイ、CHUWI)」「中柏(ジョンボー、jumper)」の5社が、ほぼ同じタイミングでUSBまわりのインターフェースが増えた製品を出しはじめたのだ。
ここで売られている台電を除く4社の代表的なタブレットを表で紹介したい(ただし台電はフルサイズUSBポートを備えた価格や性能面で魅力的な製品がなかったので省いた)。
スペック比較表
各社がラインナップを充実させているが、USBポートが充実していて、かつ人柱として買っても心と財布が痛まない低価格なモデルをピックアップした。
なお、この価格はタブレット単体の価格で、専用キーボードを入れるとプラス200元~(約3400円~)かかる。またスペック表にはバッテリーのもちについて触れていないが、これは各社がスペック表で掲載してないため。
いずれもメモリーは4GB以上、ストレージは64GB以上なので実用的だ。そのうえで4社がまったく同じスペックの製品を出していて価格競争をしているわけではなく、それぞれが微妙に異なるスペック、価格の製品を出しているあたりが面白い。
たとえば台電の「tbook10s」や酷比魔方の「iwork12」は、各社の以前のモデルからの伝統で、Android 5.1+Windows 10のデュアルOS構成となっているのが特徴なら、中柏の「Ezpad6sPro」はApolloLake世代でメモリー6GB、ストレージが128GBというのが⻑く使うに悪くなさそうなスペックが特徴となっている。
馳為の「SurBook Mini」はどこかで聞いたような名前であるのはさておき、フルサイズUSB 3.0を2ポートとUSB Type-Cを1ポート用意しているのが魅力的だ。
もうちょっと人柱代を出せてスペック重視ならCore m3搭載のOnda「oBookPro」を選びたくなる。
この中で筆者は中柏のEZPAD 6s PROを購入した。次ページでレビューする。

この連載の記事
-
第221回
トピックス
インド・ネパールカレー店によくある楽器から、未知の世界をスマホで知った -
第220回
トピックス
中国動画サービス「ビリビリ」から広がる、個人による独自ハード開発文化 -
第219回
トピックス
iPhone発売! その製造のために中国では数十万人の労働力が人海戦術で投入されている -
第218回
トピックス
キャッシュレス決済に逆行!? Wi-Fiでも水でもネカフェでも、何でも硬貨投入で買えるフィリピンのコイン文化 -
第217回
トピックス
3Dプリンターで製品を作って商売しまくる中国 「3D打印農場」が増えすぎて早くもバブル崩壊!? -
第216回
トピックス
中国製パーツでノートPCを作ってしまったファーウェイ サプライチェーンを構築した制裁からの6年 -
第215回
トピックス
中国社会でも迷惑がられる転売業者 狙われるのはSwitch 2からライブチケット、病院の整理券まで -
第214回
トピックス
中国でDeepSeek狂奏曲 VRAM96GB(?)の改造4090カードや各種製品が高速で大量登場 -
第213回
トピックス
日本から一番近いアフリカが中国・広州にあった デジタル中古市場の熱気がすごかった! -
第212回
トピックス
中国でも大人気のいらすとや 人気になった理由と中国流スタンプ文化 -
第211回
トピックス
日本のSNSでブレイクの「格付けミーム」は中国発 中国のコンテンツが日本で二次創作に使われる例が生まれる - この連載の一覧へ











