デスクトップ再生もこなせるAstell&Kernへ
Astell&Kernの「ACRO S1000」はデスクトップ再生を主眼とした小型のスピーカーとなる。2ウェイバスレフ型のパッシブタイプで、昨年発表した、USB DAC内蔵の小型アンプ「ACRO L1000」とマッチする製品だ。筐体はL1000同様のアルミ製で、ツイータの振動板にチタン、ウーファにケブラーを使っているそうだ。サイズは幅109.8×奥行き137.8×高さ138mm。重量は1.95kg。再生周波数帯域は93Hz~40kHzとなる。価格や発売時期に関しては未公開だ。
また既存製品のKANNは、ファームアップデートで「LINE端子からの可変出力」に対応する。KANNはヘッドフォン出力とは別系統でLINE出力を持っている。ライン出力側にもアンバランス伝送用の3.5mm/3極端子と、バランス伝送用の2.5mm/4極端子があり、アンバランス接続ライン出力は、0.7V/1V/1.25V/2Vrmsの4段階が選べる。高出力なLINE出力を可変(ボリューム調節可能)にすることで、ヘッドフォンの駆動力をさらに上げる意図もあるようだ。
Astell&Kernの代理店アユートのブースでは、AKとのコラボで生まれたGrooversのプレーヤー「ACTIVO CT10」が採用する「TERATON」モジュールも展示していた。ハイレゾ再生に必要な機能を1モジュールに集約している。これを使えば、車載機器やPCの周辺機器など、様々な機器にハイレゾ再生機能を追加できるわけだ。最初に開発したTM200というモジュールは、CS4398や高精度クロックなどを搭載しているが、今後他社製DACを載せる可能性もあるそうだ。Astell&Kernというと、ハイレゾプレーヤーのイメージが強いが、プレーヤー開発やヘッドフォン再生の枠にとどまらない製品企画を進めているのが分かる。
2018年は平面駆動型が身近な存在になる?
昨年多くの製品が出た平面駆動型ヘッドフォン。基本的には高価だが、今年は少し身近な存在になるかもしれない。注目は、AUDEZE(オーデジー)の「LCD-2 Classic」だ。2009年発売のLCD-2を、現代の技術で復刻した製品という位置づけ。
ドライバーサイズは変わらず、外観を変更。パッケージ内容もシンプルにして実売8万円前後まで低価格化した。ハウジングの一部にリング状の木材を使っていたLCD-2に対して、ナイロン樹脂素材としたほか、ヘッドバンド部もサスペンション付きの軽量なものに変えている。
ブースでは強化電源付きで150万円程度になる、超高級真空管アンプ「OCTAVE V16」と組み合わせてデモされていた。開放型の音場感の広さや平面駆動型ならではの緻密な再現性などを兼ね備え、非常に魅力的なサウンドが堪能できた。発売は間近で2月16日を予定している。