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福岡で活動するエンジニア4人がパネルディスカッション

福岡はいいぞ!エンジニアが東京を離れて働く意義

2018年01月16日 11時30分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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福岡を拠点に活動するエンジニア4人によるパネルディスカッション

 2017年12月15日に、福岡市のスタートアップ支援施設Fukuoka Growth Nextで開催されたイベント「エンジニア大忘年会@福岡」。クックパッドの成田氏、はてなの渡辺氏、さくらインターネットの江草氏が各社のエンジニア組織運営について語った第1部(関連記事:クックパッド・はてな・さくらが語った「エンジニア組織」の作り方に続き、第2部では、「エンジニアが福岡で働く意義」をテーマに、福岡を拠点に活動するエンジニア4人によるパネルディスカッションが行われた。

 パネリストは、仮想通貨取引所「Mr.Exchange」を運営するミスターエクスチェンジ CTOの紫竹佑騎氏、創作・二次創作作品投稿型SNS「pixiv」を提供するピクシブ CTOの高山温氏、イベントチケットサービス「EventRegist」を運営するイベントレジスト 取締役CTOの池田大輔氏、GMOペパボ シニア・プリンシパルエンジニア/ペパボ研究所 主席研究員の松本亮介氏。モデレーターはさくらインターネット 代表取締役社長/CEOの田中邦裕氏が務めた。

モデレーターはさくらインターネット 代表取締役社長/CEOの田中邦裕氏

なんといっても暮らしやすいのが魅力

さくら田中氏:まず始めに、皆さんの福岡での活動と、福岡の魅力を紹介してください。

Mr.Exchange紫竹氏:私はサイバーエージェントを2017年に退職し、福岡でMr.Exchangeを創業しました。東京から福岡に引っ越してきて4カ月目です。福岡は暮らしやすいですね。交通の便がよく、家賃が安い。ご飯も美味しい。仕事の面でも、福岡は地域全体がIT推し。“福岡で仮想通貨取引所をやっている”というだけで一目置かれます。

ミスターエクスチェンジ CTOの紫竹佑騎氏

GMOペパボ松本氏:家族で福岡に住んでいますが、なんといっても子育てがしやすい。子供が生まれたときは大阪にいて、遊ぶ場所も少ないし交通も大変でした。福岡は、みんな飲食店にも家族連れできていて、お店に駐車場があります。子供と遊びに行きやすいところが気に入っています。

pixiv高山氏:2017年6月にピクシブの福岡オフィス立ち上げメンバーとして福岡に来ました。福岡に住んで間もないですが、昔からの友人たちには「Facebookの投稿がにぎやかになった」と言われます。

EventRegist池田氏:私自身は福岡在住ではないのですが仕事で頻繁に訪れます(編集部注:池田氏は福岡のカラビナテクノロジー社の技術顧問を務めている)。福岡で開催されるイベントにはよくEventRegistを使っていただいています。福岡はエンジニアのコミュニティが密なので、コミュニティマーケをするのに適した場所だととらえています。アジアから近いのでビジネスで地の利もありますね。

濃密な勉強会が多くエンジニアが成長できる

さくら田中氏: エンジニアが働く場所として、福岡はどうですか?東京は通勤電車が混むし家賃も高いですよね。東京以外でエンジニアリングのスキルが高められてお給料がもらえれば、東京にいる意味はないような気がします。

GMOペパボ松本氏:インターネットが普及しているから、働く場所、技術を学ぶ場所はどこでもいいと思っています。確かに、東京で活動しているほうが「すごいエンジニアがいる」と気付いてもらえるまで早いという面はあります。しかし、今福岡にはいいIT企業が集まってきていて、注目が集まっている。

GMOペパボ シニア・プリンシパルエンジニア/ペパボ研究所 主席研究員の松本亮介氏氏

さくら田中氏:東京以外の地域は勉強会が少ないとか、ライバルがいないから自分のスキルを高められないとか言われますが、実際はどうでしょう。

pixiv高山氏:いや、福岡は行ききれないくらい勉強会がありますよ。登壇させてもらう機会も多く、エンジニアとしての満足感は得られています。東京にいた頃もITイベントなどに色々と行っていましたが、東京の勉強会は参加人数が多い。一方、福岡のイベントは参加者同士が密で、キーパーソンともすぐつながることができる。イベントに登壇すれば知名度がすぐに高まる。東京は優秀なエンジニアがたくさんいるから、大きなコミュニティで埋もれている人がいると思うんですよ。人によっては福岡のほうが成長しやすいのではないでしょうか。

ピクシブ CTOの高山温氏

さくら田中氏:東京以外だとお給料が安いというイメージを持っていて地方に出て行くことに不安を覚える人もいます。なんかこう、地方で働くというと極端な山奥を想像するのかもしれませんが、東京か山奥かの二元論ではなくその中間があります。福岡はむしろ東京寄り。

GMOペパボ松本氏:周りのエンジニアにも、子育てしながらエンジニアリングができるよ、と福岡に来ないか声をかけています。

Mr.Exchange紫竹氏:なんで東京にこだわるの、と。一回福岡にきて、東京じゃなくてもいいんだと感じてほしいですね。僕自身の使命になりますが、福岡で働くことの充実度合いを発信して、エンジニアが福岡で働きたい会社がないから東京にいくという流れを変えたいです。

働いてみたら東京との距離は関係なかった

EventRegist池田氏:弊社のエンジニアは、東京、大阪、名古屋、ニュージーランドに散らばっていて、仕事はリモート前提です。福岡でリモートワークをしている人は今のところいないのですが、どこで働いても待遇は同じです。エンジニアを積極採用中なので、福岡の皆さんも是非応募してください。ライフステージによって住まいの移動があっても、変らず働き続けられます。

イベントレジスト 取締役CTOの池田大輔氏

GMOペパボ松本氏:GMOペパボは福岡発祥の企業で、福岡オフィスは社内で最重要な拠点。現在も主要なサービスは福岡オフィスで開発、提供しています。エンジニアが活躍できる場です。

pixiv高山氏:ピクシブの福岡オフィスは新サービス開発が使命で、現在9人のスタッフがいます。少人数だと何かあっても質問できる人がいないのではないかとか、福岡のチームだけではできないことが多くのではないかとか、そんな不安は無用です。リモートで全国のチームとつながっており、よく技術横断の会話もしています。弊社はこれまで150人の社員が東京オフィスの1フロアにいたのですが、そうではない新しい形の組織を作ろうと、CTO自らが実験的に福岡オフィスを立ち上げました。福岡という土地でどういう価値が出していけるのか、CTOが本気でやっています。

さくら田中氏:弊社が2017年2月に福岡オフィスを開所してから10カ月が立ちました。2018年も、福岡の会社さん、エンジニアの皆さんと交流しながら、盛り上げていきたいですね。

福岡のエンジニアを盛り上げていきましょう、乾杯!

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