サムスンがついに日本でもWindows搭載PC「Galaxy Book」を発売した.10.6型と12型のタブレットで、キーボードカバーを着脱する2in1タイプ.Galaxy Noteシリーズで人気のSペンも使うことができる.
Galaxyという名の
Windowsパソコンとは
スマホより大きいGalaxy Tabシリーズは2010 年からずっと続くアンドロイドOSを搭載したタブレットだ.日本でもキャリアが発売し、アンドロイド・タブとしてあこがれだった.ドコモのGalaxy Tab S(8.4)は同寸の超小型ハードキーボードを搭載していて、とても欲っしいマシンだった.
そんな中、2016年のCESで「Galaxy TabPro S」という名称のWindows搭載PCが発表となった.サイズは12型で、CPUはコアm3-6Y30でメモリは4/8GB、SSDは128/256GBというミニマルなスペック.ところが、ディスプレイは天下の有機EL(SuperAMOLED)で2160×1440ドットの3対2比率というSurfaceを意識したスタイルだったのである.
2016年の3月に海外で発売となり、ちょうど4月に香港圏内に存在していた私は、即購入した.ホントはLTE版が欲しかったのだが、WiFi版しかなくちょっとシクシクだったが、AMOLEDの魅力は強かったのである.
そして、このタブプロSの後継機種が、今度は2017年2月のMWCで発表となった.名称はアンドロイド系と切り分けるために「Galaxy Book」と変更.サイズも10.6型と12型に広がったうえ、日本でも11月8日に発売が決まった.サムスンはもちろん海外ではNotebookシリーズというPCを販売しているが、日本ではこのBookが初のWindows搭載PCの発売となる.
最大の魅力はやはりOLED
カバーで背面も保護されるのがいい
名称は画面サイズそのままで、「Galaxy Book 10.6」と「Galaxy Book 12.0」である.ここではコストコで買える12型を中心に紹介していこう.
まずCPUは第7世代のコアi5-7200Uを搭載.メモリは8GB、SSDは256GB内蔵である.そしてディスプレイは、ProSと同じく有機ELのAMOLEDの12インチで、解像度は2160×1440ドットと3対2比率で四角くて使いやすい.
サイズは291.3×199.8×7.4ミリで重量は754グラム、フロントカメラは500万画素でバックカメラは1300万画素である.マイクロソフトのSurfacePro最新モデルは292×201×8.5とほぼ同寸だが、GalaxyBook12のほうが厚みが1ミリ薄い.たかが1ミリだが、手にしたときの「薄い」感はある.SurfaceProのコアi5モデルの重量は770グラムで、Galaxyのほうが16グラムだけ軽いが、これはあまり体感しなかった.
インターフェースはUSB3.1のタイプC×2のみと単純明快.あとはマイクロSDスロットとイヤホンジャクという単純構成だ.
同梱されるキーボードカバーは中央にコネクター部があり、背面側のカバーを折ってついたてにする方式で、マグネットによって背面に付く.液晶の角度は40度、53度、60度の3種類である.前モデルのGalaxy TabPro Sでは収納するときに一旦キーボードとタブレットを切り離す必要があったが、今回のBookからはそのままパタンとたたむことができる.SurfaceProはタブレットの後ろにツイタテがあるので、キーボードカバーは液晶面のみになるが、Galaxyの場合は前も後ろもカバーが保護してくれる安心感がある.
キーボードは、いわゆるSurface的な、やや、やわらかさのある構造だがキーストロークは1.5ミリあり、不満はない.日本で発売となるモデルはUS配列のみで、オレとしてはオッケーなのだ.あと、12型の海外モデルではLTEモデムを搭載しているものもあるのだが、日本では選択できないのが非常に残念である.
ディスプレイのAMOLEDは、もちろんとても彩度が高く、最高輝度も高い.Surface BookやProと同じ3対2比率は、16対9に比べて雑誌や書類の判型に近く、特に縦位置で使う時にはとても見やすいのである.
付属のSペンはGalaxyNoteシリーズで定評のある書き味で、ペン先が0.7ミリと極細なのに4096段階の筆圧を感知してくれる.ただし収納がSurfaceProのように磁石で本体にパチッと付くのではなく、円筒のホルダーに挿すカタチなのがちょっとまだるっこい.
7Gコアとして標準的速度
バッテリの持ちは◎
おなじみのベンチマークテストを各種実施してみたが、コアi5-7200Uを搭載したモバイルノートとしては標準的な値だった.CINEBENCHはCPUが325でOpenGLが44、3DMarkのFireStrikeは896である.
SSDはもちろんサムスン製のPM871aシリーズ(MZNLN256HMHQ)を搭載しているが、SATA接続なのでマルチのシーケンシャルリードは550止まりと標準的速度だった.
おなじみBBenchによるバッテリー持続時間は、いつもどおり輝度MAXの省エネOFFで3時間30分もった.内蔵するバッテリーは39Whと少なめなのに3時間駆動するというのは、LEDバックライト+液晶よりも省エネなAMOLEDの威力かもしれない.
現行のSurface Proはi5モデルはメモリ8GB+256SSDで約16万円で、加えて約2万円のタイプカバーとペンを加えると19万円となる.GalaxyBook12はコストコでの販売のみとなっているがキーボードとSペンが付属で約14万円とお買い得.SurfaceProもGalaxyBookもCPUはいまだ7Gコアなので、そろそろ8になる予感はするが、Windowsのタブレットが欲しいヒトはAMOLEDがとてもキレイなGalaxyもチェックすべし!!