販売はよりリアル店舗へ、音声通話付きにシフトはさらに進む
一方、回線についてはより格安SIMの加入がリアル店舗にシフトし、音声通話付きのSIMがほとんど占めるとみている。
音声通話付きの回線比率が高い楽天モバイルがシェアを伸ばしている現状があり、音声通話付きのほうがその分だけ客単価は高くなる。しかも、半年から1年、またはそれ以上の最低契約期間や、端末同時購入による回線維持などもある。
格安SIMを研究している人以外では、SIMフリー端末の意味もよくわかっておらず、従来どおりキャリア乗り換えは端末もセットとしか理解してない人もいる。
格安SIM移行時に端末セットを買えば、それを使っている間はずっと格安SIMに縛られると思っている人もいる。端末のローン期間中や端末が実働する限りは乗り換えないという人は少なくない。そのような人たちが回線を維持してくれるというわけだ。
そのため、商売としては端末セットで販売するリアル店舗で客を集めることも重要になるのは間違いない。
そこまで音声通話付き回線や一般ユーザー向けにシフトすると、データのみの回線がなくなってしまわないか心配するところだが、それはないと考えている。
タブレットはもちろん、IoT機器などデータだけで事足りる機器は今後増えており、その活用にどこかの時期で需要が増えてくると思っているからだ。
3大キャリアの反撃がはじまり、3大キャリアへ回帰も進む
月間20GBや30GBといった大容量プランを利用するなら、端末割引や混雑時の速度などを含めて3大キャリアが有利という状況だったが、いよいよ3大キャリアの反撃がはじまってくるのが2018年と予想する。
そこで3大キャリアに戻ってみようという人も増えてくるのも2018年だと見ている。ドコモやauが示す安い金額はもちろんだが、混雑時のデータの安定性といった格安SIMの酸いも甘いも知ってしまった人には、多少お金を多く払ってでも3大キャリアにしようという人も出てくるだろう。
金額面においても、「auピタットプラン」はデータ量を使ったり2年目の料金を考えると決して割安なものではないが、データ量に注意して使えば安く使うことは可能。
また、動画にハマってしまい大容量が必要になった場合は50GBが安いソフトバンクも有利。家族にデータ容量を分けてもらえるならドコモも悪くない。
それでも、単体で月間3GB程度の利用では格安SIMが圧倒的に安いが、筆者はそこにも3大キャリアの反撃が本格化してくると予想する。
2017年はauピタットプランが格安SIM対抗という形になり、最低が「1980円」という料金で注目されたが、次は格安SIMに詳しい人でも割安感を感じられる対抗策を出してくると思われる。
そのひとつが端末施策で、これまでよりもより低価格帯にシフトし、定価を下げて料金面での割引を抑えていくと思われる。
そう考える理由は、いよいよauが格安SIMで提供されるようなグローバル端末、「HUAWEI nova 2」を扱いはじめるほか、すでにauは月々の端末購入に関する割引がauピタットプランやauフラットプランにおいては消滅しているからだ。
ドコモは、iPhone 8/iPhone 8 Plusを月々に割り引く「毎月割」から購入時に一括で価格を割り引く「端末購入サポート」に切り替えたことからも変化が伺える。
実際の使い方に応じた支払い額で比べていくと、どんな施策が打たれても金額はあまり変わらないという結果になるかもしれないが、見かけ上の安さを追求するために、さまざまな策を打ってくると思われる。
最新情報で判断して間違いない回線選びを
以上のように2018年はサービス選びが多少難しくなると予想するが、判断するためには最新情報を自分の使い方に照らし合わせるということが重要なのはこれまでと変わらない。
「980円」や「1980円」の文字が舞っていても、自分の使い方に合わせてみて判断することが重要だ。
格安SIMも次々と新たなサービスが出てくる可能性もある。選ぶ際は常に最新情報を得て、選んでほしい。
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