高スペックのゲーミングPCもよく見かけるように
またゲーミングPCでいえば、デルの「ALIENWARE」とASUSの「REPUBLIC OF GAMERS(略称ROG、中国本土向け名称は玩家国度)」のショップをよく見るようになった。
ハイエンドゲーミングPCなので気軽な値段ではないが、それでも出店は続く。リアルショップによる認知向上はゲーミングPC販売台数増の一因だ。
このように2016年から2017年にかけて、ショッピングモールなどで単価の高い製品を見るようになり、売れているようだ。
一方、ユーザー環境を見れば、筆者が中国に携わる15年で、毎年一貫して人々が購入し所有するPCやスマートフォンのスペックが向上している。
当初は売れ筋の中心がローエンドの製品だったのが、年が経過するごとに体感速度や感触や質感の違いを求めミドルクラス、ハイエンドと売れ筋が変わっていく。
現在のHUAWEI P10のユーザーは、おそらく1年後にそれを使って満足はすることはなく、マイナーなバージョンアップへの鞍替えでも満足せず、体感で違いを感じる新機種にジャンプアップするだろう。
違いのあるハイエンド機種を出せるメーカーは、中国メーカーでは圧倒的な研究開発費を投じているファーウェイかもしれないが、そのメーカーが来年の中国の時のメーカーとなる。
日本製品の姿が見えなくなった近年
惜しむらくは、一部の中国人の間で違いのある高性能なIT製品のニーズが高まり、メカニカルキーボードや薄型PCやメカメカしいマウスやイヤフォンなど高級志向のニーズがまさに見えてきている中で、以前中国にもあった日本の高級製品が今では見られないということだ。
理由としては、進出時期は異なれど、中国に力を入れるのを止めたのが早すぎたとか、中国国内での販売に力を入れてなかったといった理由が挙げられるし、日本国内で以前に比べ尖った製品が減ったというのもあるだろう。
前回の記事「現地から見た、シャープのテレビが中国で売れている理由」でも書いたが、筆者が中国未発売の「ポメラ」を使っていると今も注目を浴びる。
また、かつてはカシオの自撮りカメラの定番(自拍神器)とされたデジカメが売られ、士郎正宗氏やカトキハジメ氏がデザインしたエレコム製マウスや、富士フイルムの「チェキ」が中国のショッピングモール内の雑貨屋などで数年前から定番商品として売られていた。
中国では今年は尖った製品が受け入れられる雰囲気にあり、今後それがさらに加速していくだろう。今年はどうしてもシェアサイクルなどシェアサービスが目立ったし、消費者によるハードウェアのアップグレードの乏しい日本では想像しずらい事象かもしれない。
とはいえ日本企業も、今だからこそ違いを感じるハイテクな製品を中国向けにも販売してほしいと願う。

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